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歌詞にも演奏にも独自のストーリー コトリンゴ

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歌詞にも演奏にも独自のストーリー コトリンゴ

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普段の生活でも植物や鳥を眺めるが好きという、シンガー・ソングライターのコトリンゴ(提供写真)  「アルバムを作り始める時に、テーマになるような言葉はないかと考えていたら、ハードコアという言葉を見て、“あっ、バードコア!って面白い”と思いついたんです」

 おっとりした口調で話すコトリンゴ。コトリとリンゴが好きなことから付けた名前だ。坂本龍一のラジオ番組に、当時住んでいたニューヨークから曲を送り、その才能が注目されてデビュー。今ではCMや映画音楽などでも活躍する。今回も昨年(2013年)末にTVドラマ「明日、ママがいない」のために「誰か私を」を作曲、続いてperfumeの振り付けで知られるMIKIKO主宰のダンスカンパニーelevenplayの公演「MOSAIC」用に「あたま、こころ」を書き下ろし。そこから頭の中のファンタジーの世界と現実とを行き来しながら『バードコア!』の曲作りに励んだ。

 音楽の魅力満載

 「『種まき』は最初から1曲目にする予定でした。でも、ちょっと気持ち悪くないですか?(笑) 種をまいたら人間ができて歩き出すって、ゾンビみたいで。なんか植物って面白いなっていうのがあって。続く『terrarium』はその時の自分の状況もあったんですけど、すごく前向きの歌詞にしたくて、ちょっと環境を変えて飛び出したい、その準備はいいかな?という内容です」

 玉手箱を開けたような楽しい音遣いのポップソングがあるかと思えば、オーケストレーションもできるとあって、さまざまな楽器の響きから広がる音世界も魅力だ。「エキゾチックな中国風のメロディーにしたかったので」と、ベースや弦楽器のパターンをひねり出し、気を使う2人が出掛けた状況を思い浮かべて作詞した「読み合うふたり」は、コロコロと曲調が転がっていく面白さ、「ballooning」はジャズでありながら、「歌詞を考えていた時に天井からクモが降りてきたので、何かのアピールだと思ってクモの歌にしました(笑)」。夏目漱石の「草枕」をきっかけにできた曲や、エレクトロニックサウンドに、「空に自分の希望を投げてどんどん飛んでいってというイメージの詩で、その開けた感じがすごく好きだったので」と、E.E.カミングスの詩を乗せて歌ったものもある。

 自宅でリラックスして録音した歌もあり、また言葉にもこだわったせいか、大人っぽい仕上がり。しかも歌詞にも演奏にも独自のストーリーを持った唯一無二のユニークさで、コトリンゴ流の音楽の楽しさを味わえるアルバムになった。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■コトリンゴ シンガー・ソングライター。1978年生まれ。5歳からピアノ、7歳から作曲を始める。ボストン・バークリー音楽院に留学後ニューヨークを拠点に活動し、2006年に坂本龍一に見いだされたのをきっかけに日本デビュー。卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感あふれるポップ・ワールドを描く。11年に3ピースバンドを結成、13年よりKIRINJIの一員としても活動している。7月からツアー。

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