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女っぽい表情も楽しんでもらえたら WOWOW「トクソウ」 真飛聖さんインタビュー
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「役どころによって目力の強さの調整をどうすべきか、日々模索中なんですよ」と語る、女優の真飛聖(まとぶ・せい)さん=2014年4月23日、東京都千代田区(財満朝則撮影)
今、キャリアウーマンを演じさせたら、この人の右に出る女優はいないのかもしれない。かつて宝塚歌劇団花組のトップスターに君臨していた真飛聖(まとぶ・せい、37)。退団後、テレビドラマや映画に活躍の場を移してみると、大きな責任を伴う仕事をテキパキとこなしていく看護師長やキャビンアテンダントといった「できる女」の役を求められることが多かった。「男役として生きてきた年数が長かったからなんでしょうね。実際、宝塚という“男社会”で育った感じがあるんです。だから『できる女』を演じやすいのも確か。私は極力優しく見える女性を演じたいのですが、まあ、イメージもありますからね。『できる女』役がもらえることをありがたくも思っていますよ」
そんな真飛が5月11日スタートのWOWOWの連続ドラマW「トクソウ」(日曜後10:00、全5話、河合勇人・滝本憲吾両監督)で、ヒロインの司法記者に挑むことになった。原作は由良秀之の小説「司法記者」。政治家の汚職や大型経済事件に切り込む東京地検特捜部の闇が描かれるこの物語は、正義感の強い若い特捜検事(吉岡秀隆)と、彼の上司で圧倒的なカリスマ性を誇る副部長(三浦友和)の対立を軸に、ともすれば強引になりがちな事件の筋読みや捜査手法、権力闘争、メディアとの付き合いなど、巨大な権力の内部をリアルに描き出し、正義とは何かを考えさせる内容だ。
真飛が演じる毎朝新聞社会部記者、桜井智子は、検察幹部たちに対し、昼夜を問わず取材攻勢をかけ、特ダネを狙う。知り合いに司法記者など一人もいないという真飛は「これまで自分が受けてきた取材の様子を頭に思い浮かべました。そこに桜井を演じるヒントがあるかもしれない」と役作りの一端を振り返った。
ただ、時には“女性”を武器にすることもいとわない桜井の役どころを踏まえ、監督からは「もっと女っぽい部分を出してみて」と事細かに感情表現でアドバイスをもらった。例えば、桜井が元恋人でもある主人公(吉岡)との再会を懐かしむ場面では、荒っぽくギスギスとした雰囲気はなじまないというのだ。「私は男役出身ということもあり、桜井の女性的な部分を感じさせないように、キビキビと表現していこうと考えていたんですよね。でも、作品にはきつい表情の桜井智子ばかりだけではなく、女っぽい表情の“智子ちゃん”もあります。そこも楽しんでもらえたらうれしいです」(文:高橋天地(たかくに)/撮影:財満朝則/SANKEI EXPRESS)