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現況を肯定するような身ぶりをした作品を KAATでチェルフィッチュが新作公開リハ 

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現況を肯定するような身ぶりをした作品を KAATでチェルフィッチュが新作公開リハ 

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公開リハーサル後のトークセッションで演出家の本音を語った岡田利規さん(左)と白井晃さん=2014年5月6日、神奈川県横浜市中区のKAAT神奈川芸術劇場(提供写真)  劇作・演出家、岡田利規が主宰する演劇ユニット「チェルフィッチュ」の新作「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」の公開リハーサルが5月6日、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市)であった。

 東日本大震災と福島第1原発事故の発生以降、岡田は「現在地」「地面と床」と、今の社会のあり方に疑問を呈する作品をフィクションに依拠して発表。だが「スーパー…」は、日本の暮らしを象徴するコンビニエンスストアを題材に「現況を肯定するような身ぶりをした作品を作ってみようと」(岡田)試みる。

 約1時間の公開リハーサルでは、コンビニ店員2人が、期限切れ食品の廃棄ロスをネタに店長の悪口をたたきながら、バッハの曲に乗せ不穏に体を動かした。岡田は「今、(音楽に)絡みにいったというよりは、のっかりにいったと思うんだけど…その違いわかる?」などと、動きやセリフの間について俳優たちの感覚を一つずつ確認しながら、場面を組み立てていった。

 リハーサル後は岡田と、先月(4月)KAATアーティスティック・スーパーバイザーに就任した演出家・俳優の白井晃が対談。白井が「演出は、観客がそれほど気にしないかもしれないことの積み重ね」と言えば、岡田も「コストパフォーマンスを考えては演出はできない」と応じ、演出家同士呼応した様子をみせた。「スーパー…」は5月下旬、ドイツで初演後、12月にKAATで上演予定。(津川綾子/SANKEI EXPRESS

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