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冒険心から「16分の27拍子」 上原ひろみさんインタビュー

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冒険心から「16分の27拍子」 上原ひろみさんインタビュー

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2011年の東京JAZZに出演した上原ひろみ=2011年9月3日(提供写真)  「私は音楽にかけては冒険というのが一番大事な要素だと思っているので、『ALIVE』は冒険心に満ちあふれたアルバムになったと思います」

 上原ひろみはトリオを組んで4年目になるアンソニー・ジャクソン(6弦ベース)とサイモン・フィリップス(ドラムス)と、ニューヨークの3日間で全9曲をレコーディングした。

 録音までにライブで全曲を演奏してきたせいか、とても聴きやすい仕上がり。とはいえ1曲目の「ALIVE」には16分の27拍子が入っているなど、超人的な演奏を繰り広げている。

 ゲーム感覚で

 「この曲はもともと7拍子で書いていて、だから16分の28になるんですけど、サイモンが“もう7拍子に慣れているから1拍減らそう”と言い出して(笑)。それでやってみたら、みんな“(慣れない感じで)気持ち悪いね”となったので、喜んで挑戦することにしました(笑)」

 変拍子に振り回されずにグルーブするようになるまで、体になじむようにと1カ月ほど移動中はいつもこのビートを聴き続けたという。

 「インドのリズムの数え方で、4はタディキナとかタカデミ、3はタキタと言うんですね。なので電車や飛行機に乗るときなど、16分の27の“タカデミタカデミ・タキタタキタ・タカデミ・タキタタキタタキタ”をずっと口ずさんでいました(笑)」

 この曲は途中で8分の6拍子や7拍子などに展開し、最後のセクションで4拍子に到達するという複雑ぶり。ほかにも「プレイヤー」では「4拍子を4拍子と感じないリフを作りたい」と凝るなど、まさにチャレンジの連続だ。上原は「同じスリリングなものでも、殺人など怖いシーンがある映画は苦手ですけど、音楽では楽しくてたまらない」と嬉しそうに話す。

 「曲作りはジェンガみたいなゲームですね。いろんな要素を構築していく上で“この拍子を抜いても大丈夫かな”と試しながら、みんなでバランスを取っていき、その上にまた積み上げていると思ったら、誰かが急に抜いたり。みんなのイタズラ心と冒険心と好奇心でできています」

 9月には第13回東京JAZZで演奏する。

 「曲の完成形は一つではなくていろんなポテンシャルがあるので、これらの曲がどんなふうになっていくのか楽しみですね」(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■うえはら・ひろみ 1979年、静岡県浜松市生まれ。バークリー音楽大学ジャズ作曲科とCMP科を卒業。毎年、世界を舞台に150公演にも及ぶツアーを続けている。2011年、参加したアルバム「スタンリー・クラーク・トリオ フィーチャリング上原ひろみ」で第53回グラミー賞を受賞。今のトリオでは、「VOICE」「MOVE」に続く3作目。「ALIVE」の初回限定盤にはレコーディング・メーキング映像などが入ったDVDが付く。

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