SankeiBiz for mobile

【ブラジルW杯】戦術確認より「重圧解放」 大一番へ決断

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのスポーツ

【ブラジルW杯】戦術確認より「重圧解放」 大一番へ決断

更新

【C組】日本とコートジボワールのパス比較=2014年6月14日、ブラジル・レシフェのペルナンブコ・アリーナ  ≪ザッケローニ監督 急遽、練習中止≫

 サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で、1次リーグ突破に向け今大会初勝利が最低条件となるコロンビア戦を3日後に控えた日本代表は6月21日、選手の精神的なリフレッシュのため急遽(きゅうきょ)練習を取りやめ、休養日とした。記者会見したアルベルト・ザッケローニ監督(61)は「精神面で次のコロンビア戦にいい状態で向かわせたい」と練習中止の理由を説明した。夕食時にはチームでブラジルの名物料理シュラスコ(肉の串刺し)を食べに出かけ、英気を養った。

 笑顔が消えた

 コロンビア戦間近の重要な調整期間を1日削り、選手たちに異例の休日を与えたザッケローニ監督。通常ならば試合3日前は対戦相手を想定した守備戦術を確認する。普段と違うアプローチは、切羽詰まったチーム状況の裏返しだろう。

 万全の準備で臨んだはずのコートジボワール戦に敗れ、続くギリシャ戦も退場者を出して1人少ない相手にドロー。拠点のイトゥに戻って実施した20日の練習では、追い込まれた選手から笑顔が消えた。

 「初戦の結果が次の戦いに響いた」とみる指揮官は、ここまで持ち味を出し切れていない原因をプレースピードの遅さに求め、「体力面は全く問題ない。頭のところでブレーキがかかってしまっているのではないか」と指摘。大きな重圧からくるストレスを少しでも和らげることが、最善の策と判断した。

 パワープレーもある

 休養日となって設定された記者会見では、2試合続けて終盤に長身DFの吉田麻也(25)=サウサンプトン=を前線に上げたパワープレー(ゴール前にロングボールを放り込むプレー)の采配に疑問が呈された。

 前日には日本サッカー協会の原博実(はら・ひろみ)専務理事(55)がこの采配について「チームに合っていない。違う方策を徹底してやるべきだ」と疑問を投げかけたばかり。指揮官は「日本のDNAに、そういったプレーがないのはよく分かっている」とした上で「ただ、相手が極端に引いてきて打開できないときは、最後の数分に限ってトライしてみるべきだ」と、試合終盤に再び用いる可能性を示した。

 「4年間」をぶつける

 ザッケローニ監督は、コロンビア戦で4年間構築してきた攻撃的スタイルを正々堂々とぶつける腹づもりだ。会見では「この2試合で哲学を変える必要はない。次の試合は絶対にやってくれるだろう」と語った。

 1次リーグC組の日本は、2試合を終えて1分け1敗の勝ち点1でC組3位。2大会連続の決勝トーナメント進出には、24日(日本時間25日)にクイアバで行われる勝ち点6のコロンビアとの第3戦に勝つことが絶対条件。その上で、勝ち点1のギリシャが勝ち点3のコートジボワールに勝つか引き分けた場合に、得失点などの争いとなる。(SANKEI EXPRESS

ランキング