SankeiBiz for mobile

【This Week】(6月30日~7月6日) オウム菊地被告 きょう判決

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの社会

【This Week】(6月30日~7月6日) オウム菊地被告 きょう判決

更新

菊地直子被告の「認識」をめぐる証言、供述=2014年6月29日現在  東京都庁小包爆弾事件で殺人未遂幇助(ほうじょ)罪などに問われた元オウム真理教信者、菊地直子(きくち・なおこ)被告(42)の判決に向け、裁判員らの非公開の評議が大詰めを迎えている。直接証拠がない19年前の事件で、全面無罪を主張する被告の「認識」を判断するのは、プロの裁判官でも難しい。長く、苦しい評議の末に導かれる結論は有罪か、無罪か。判決は6月30日、東京地裁で言い渡される。

 1995年の事件当時、末端に近い信者だった菊地被告は、爆薬原料の「運び役」として起訴された。最大の争点は、運んだ薬品がテロに使われるとの認識が被告にあったかどうか。5月8日に始まった裁判では、元幹部の死刑囚を含む12人の証人尋問が実施された。

 法廷でのやりとりは化学実験の内容や、「ペンタエリトリトール」「濃硝酸」などの薬品名が飛び交う難解な内容になった。証人の記憶や過去の裁判資料を基に、当時の状況が再現されたが、認識の有無について決定的な証言はなかった。

 菊地被告がほぼ一方的に指示を受けるだけの立場だったことが、事件の核心をさらに不鮮明にさせた。実験施設での被告の役割、指示の内容、薬品を運んだ状況…。細部をめぐり延々と続く検察と弁護側の応酬に、裁判員が疲れた表情を見せることも多かった。

 公判の途中からは証人の言葉の信用性にも疑問符がつき始めた。

 元幹部の井上嘉浩(いのうえ・よしひろ)死刑囚(44)は「菊地被告は『警察に見つかれば終わりだ』と話していた」と証言。だが別の日に出廷した元幹部、中川智正(なかがわ・ともまさ)死刑囚(51)は「人殺しの道具を作るとは思っていなかっただろう」と逆の説明をした。

 2人は過去のオウム事件裁判でも対立した因縁がある。中川死刑囚が「意地になって反対のことを言っている」と井上死刑囚を批判するなど審理は荒れ模様となり、判断はさらに難しくなった。

 今年3月に実刑判決が言い渡された平田信(ひらた・まこと)被告(49)の裁判員裁判は、結審から判決言い渡しまで8日間だったが、菊地被告は21日間と、評議の期間が長く設定された。裁判所は当初から、難しい事件だと考えていたとみられる。

 事件後、17年間逃亡を続けた菊地被告に、検察側は懲役7年を求刑した。公判を担当した検察幹部は「かなり難しい立証だったが、整理した主張はできた」と自負をのぞかせるが、弁護側も「犯罪の証拠は一つもない」(最終弁論)と強気のまま譲らない。

 あるベテラン刑事裁判官は「検察は小さな証拠の積み上げで有罪を立証しようとしているが、判断は難しい。個々の証拠ではなく、全体としてどう見るかが判決のポイントになる」と指摘している。(SANKEI EXPRESS

ランキング