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辺野古沖にブイ設置 移設本格化 妨害阻止へ立ち入り制限 あすにも地質調査
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米軍普天間飛行場の辺野古移設に向け、沖合に設置される立ち入り禁止区域を示すフロート=2014年8月14日午前10時30分、沖縄県名護市辺野古沖(共同通信社へりから撮影) 防衛省は8月14日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設作業に向け、調査や工事に伴う立ち入り禁止区域を明示するブイ(浮標)を辺野古沖に設置し、フロート(浮具)も置いた。辺野古移設反対派の妨害を阻止するためで、16日にも海底地質を調べるボーリング調査に着手し、移設作業を本格化させる。
ブイ設置とボーリング調査に先立ち、日米両政府は7月、米軍キャンプ・シュワブ周辺の辺野古沖に臨時制限区域(約561.8ヘクタール)を設けた。沿岸から約50メートルだった立ち入り禁止区域は最大約2キロに広がった。ブイは制限区域に沿って設置した。
制限区域内では米軍や工事用船舶以外の航行が禁止されている。内側に侵入すれば、海上保安庁が米軍施設・区域への侵入を禁じる刑事特別法を適用し、排除する。
ボーリング調査は11月30日までに終え、今年度中に護岸や埋め立てに関する詳細な実施設計をまとめ、来秋以降、護岸と埋め立ての工事に入る。
昨年(2013年)4月の日米合意では2022年度までの完成を目指していたが、沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事(74)が普天間飛行場の5年以内の運用停止を求めているため、工期の短縮を検討している。
ボーリング調査は当面、陸地に近い21地点を予定しており、その後、範囲を広げて約60地点も調べる。海域に台船を設置し、掘削により地盤の強度や地質を確認するのが目的で、その結果に基づき最終設計図となる実施設計をまとめる。
護岸・埋め立てに使うケーソンと呼ばれる箱形コンクリートや資材を置く作業場も設け、場所は(1)米軍キャンプ・シュワブ内(2)シュワブに隣接する漁港(3)海上-の3カ所を計画。漁港の作業場整備には名護市の稲嶺進市長(69)の許可が必要となるが、辺野古移設に反対している稲嶺氏が許可する可能性は低く、防衛省は代替措置を検討する。
護岸工事は海底に砂利を敷いた上で、海底が深い海域ではケーソンを設置し、浅い海域ではコンクリートを流し込んだ鉄板や消波ブロックを置き、その内側を土砂で埋め立てる。ケーソンを設置できるのは16年以降とみられている。
辺野古移設は11月16日投開票の沖縄県知事選の結果が影響しかねない。
知事選は昨年(2013年)12月に政府の埋め立て申請を承認した現職の仲井真氏と、移設に反対している翁長雄志(おなが・たけし)那覇市長(63)との事実上の一騎打ちとなる。
翁長氏が埋め立て承認を撤回することは法的根拠に乏しく困難だが、支持する勢力は移設に反対する候補者の勝利というインパクトを盾に移設中止を政府に迫る構えだ。仮に翁長氏が勝利すれば、辺野古で移設反対派の妨害活動が勢いづく恐れもあり、政府にとって仲井真氏の勝利が不可欠となる。
≪緊迫の海 海保、反対派寄せ付けず≫
辺野古沖は8月14日早朝から緊迫した。2004~05年のボーリング調査は辺野古移設反対派の妨害で頓挫したが、海上保安庁は今回、一糸乱れぬ包囲網を敷き、反対派を寄せ付けなかった。
空が白み始めた午前6時前、辺野古の沖合約1キロに海保の巡視船6隻の船影がくっきりと浮かび上がった。普天間飛行場の代替施設を建設する米軍キャンプ・シュワブの沿岸部全体ににらみを利かせる陣形で、100メートルほどの間隔を置き、停泊していた。
同じ頃、大浦湾を挟んでシュワブの対岸にある汀間(ていま)漁港では、防衛省の地方拠点「沖縄防衛局」と書かれた旗を掲げる作業船約35隻に警備会社の社員ら約80人が乗り込み、出港した。それを追うように移設反対派の小型船4隻も出発した。
緊迫の度を増したのは7時前。シュワブからブイが運び出されると、反対派の旗艦と位置づけられる小型船が12人を乗せて汀間漁港を出た。ここから海保と反対派の対峙(たいじ)が本格化した。海保は数十隻のゴムボートを投入し、大浦湾とシュワブに隣接する辺野古漁港沖での二正面作戦を迫られた。
反対派の小型船や10隻以上のカヌーがシュワブに接近しようとすると海保は1隻につき4、5隻のゴムボートで素早く包囲して進路をふさぎ、遠ざけた。「海が荒れているので陸に戻るように」との警告も拡声器を通して響かせた。間もなくカヌーは次々と辺野古漁港へと戻った。
その間、好天ながら波もある中、作業船は黄色のブイを海上に投下した。海底掘削で地質を調べるボーリング調査を行うポイントには反対派が接近しないよう数珠つなぎのフロートも設置し、シュワブ沖の浅瀬一帯を囲んだ。(SANKEI EXPRESS)