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多様な形、色 本当に不思議で面白い 「世界で一番美しいイカとタコの図鑑」編集者 澤井聖一さん
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本書の特別付録である特大サイズの魚拓ならぬ「イカ」拓を手にする、編集者の澤井聖一さん=2014年8月18日(塩塚夢撮影)
子供やマニア向けから、大人も楽しめる図鑑へ。美しい写真をふんだんに使用した図鑑が人気を集めているが、夏休みにぴったりの涼しげな『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』が登場した。その名の通り、約200枚の写真でイカとタコの不思議な生態を紹介する。
黄色に輝くオーストラリアコウイカ、わずか2センチの小さなヒメイカ、透明なマダコの幼体。その形や色、形態の多様さに圧倒される。「体の右半分と左半分で完全に色を変えられるのはイカとタコだけ。大きさもダイオウイカのように巨大なものから極小のヒメイカまで。本当に不思議で面白い生き物なんです」と力説するのは、版元のエクスナレッジ代表取締役社長で、本書の企画構成をつとめた澤井聖一(せいいち)さん(56)。普通の図鑑では種類ごとに並べられるところを、本書では「可愛い」「光る」「吸血」「擬態」など、独自の視点でジャンル分けしている。「自分が思うイカとタコの魅力ごとに分けている。『可愛い』なんて完全に主観ですよね(笑)」
“図鑑ブーム”の火付け役の一つとも言える『世界の美しい透明な生き物』など、個性的な図鑑を次々に送り出してきたエクスナレッジだが、実はその原点がこのイカタコ図鑑なのだという。「イカタコ図鑑を思いついたのは3年前。そこから『透明な生き物だけを集めたら?』と広がっていった。シリーズの発想の原点ですね」
発案から刊行まで3年かかったのには理由がある。「最初は写真をエージェントに頼んでいたんですが、全然足りない。ナマのレアな生き生きした写真を収めるべく、ダイバーのホームページなどを探して、自分で一枚一枚集めていきました」
「ほぼ趣味なので」と、休日にコツコツイカタコ写真を集める生活を送っていたが、昨年(2013年)ダイオウイカブームが到来。「最初は社員から冷たい目で見られていたんですが、これでイカやタコへの理解がグッと上がった(笑)」。時の運(?)も味方につけ、満を持して出版されたというわけだ。もちろん、ダイオウイカの魚拓ならぬ「イカ」拓を特別付録にするなど、ダイオウイカファンの心もがっちりつかむ仕掛けとなっている。
「とにかく眺めていて気持ちがいいように」と視覚的な快楽を追求した構成は、さながら写真集のよう。監修はダイオウイカ研究の第一人者、窪寺恒己さんで、「専門書としても読み応えがある」と澤井さんは胸を張る。
建築関係の書籍を中心に出版しているエクスナレッジだが、生き物図鑑シリーズはまだまだ続く予定だ。「今考えている企画は30以上。なかなか一緒に作ってくれる人はいないんだけど…」。それでも作るのは「好きだから」。「自分が楽しいと思えるかが基本。それをいかにうまく読者に伝えるかだと思います」。作って楽しい。だから、読んでも楽しいのだ。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
「世界で一番美しいイカとタコの図鑑」(エクスナレッジ刊、3600円+税)