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ランニングの楽しみ 大和田潔

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ランニングの楽しみ 大和田潔

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 【青信号で今週も】

 米国の医学雑誌に、ランニングをする人はしない人よりも寿命が3年長いことが報告されました。それほど長距離である必要はなく、ゆっくりでも走るだけでも効果があるとのことです。心臓や脳の病気の予防につながることも証明され、健康的な寿命が延びることが予想されています。

 ゆっくり楽しみながら走ることが好きな私には朗報でした。数キロ先の公営プールまで走っていき、ゆっくり泳ぐと体がほぐれます。夏の一時期この公営プールは、早朝から開けているため仕事前に泳いでからクリニックへ向かったりしていました。

 とはいっても「走ることはつらくてやりたくない」という方も多いでしょう。私も、最初のうちは往復10分ほどの近所の神社に行って帰るだけでもしんどかったことを覚えています。走っているうちに汗ばんでくることや、足の裏やふくらはぎがつらくなり、息も上がってきます。

 テレビでマラソン選手を見るにつけ「同じ人間なのに、どうしてああやって走り続けられるのだろう?」と常々思っていました。

 確かに運動はつらい側面をもちます。アイスクリームやポテトチップスを片手に、横になって面白い映画やテレビを見ている方がずっと楽です。着替えて靴を履き外に走りに行くには、ある程度の決心が必要かもしれません。翌日の筋肉痛が起きると「運動しなかった方がよかったかも…」と後悔したりします。

 けれども、外を走ることはそれ以上の喜びをもたらします。夏が来ると真っ白なモクモクした雲に形が変わり、真夏にはコガネムシが現れます。ヒマワリが最も元気な時です。アブラゼミが鳴き始めるころ、コガネムシは姿を消していきます。ヒグラシが鳴きはじめ、トンボが舞い始めると、もう夏は終わりに近づきます。コオロギが鳴き始めるころ、秋の雲になっていきます。

 こういった自然の変化の中を走ると、人も自然の中で生きる生き物であることを再確認できます。朝の運動は、体をシャキッとさせます。ちょっとした散歩から始めてみましょう。体が慣れてくると、運動する楽しみを味わうことができるようになります。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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