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逆風Apple 2.5兆円消えた 曲がるiPhone、OS不具合…株価急落

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逆風Apple 2.5兆円消えた 曲がるiPhone、OS不具合…株価急落

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 19日に「iPhone(アイフォーン)6」と、その大型モデル「6プラス」を発売した米アップルに逆風が吹き荒れている。23日にズボンの後ろポケットなどに入れていた6プラスの本体が曲がったとの苦情が報じられ、24日には配布直後のモバイル端末向け新基本ソフト(OS)に不具合が発生、即日配布中止となった。アップルは25日、新OSと6プラス湾曲に関し異例の謝罪と弁明を行ったが、株価急落で時価総額が2兆円以上消失。かつての輝きは消えうせている。

 異例の全面謝罪

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)や英BBC放送(いずれも電子版)によると、アップルが異例の謝罪を行ったのは新OS「iOS8.0.1」に関してで、利用者から通話や指紋認証機能が使えないといった不具合が報告されたためだ。

 アップルでは25日「ご迷惑をおかけした利用者のみなさまにおわび申し上げます」との全面謝罪とともに、改訂版「8.0.2」の配布を始めた。

 6プラスの湾曲問題についても広報文で「通常の使用で曲がるのは極めて異例」と弁明した。そのうえで「(強度に関しては)開発中の全段階で厳格なテストを行っている」と明言し、「高ステンレス鋼やチタン部品を使って高い強度や耐久性を実現しており、日常生活の使用に耐えうる高い品質基準の全てを満たすか、上回っている」と強調している。

 ツイッターに苦情

 この問題は、6プラスをズボンの後ろポケットに入れたまま座ったり、強い圧力をかけると本体が曲がったとの苦情がツイッターなどに投稿されたもの。米経済ニュースサイト、ビジネス・インサイダーなどが23日に伝え、世界中に広まった。

 アップルは25日までに9人の顧客から苦情を受けたと説明したが、9月25日付英紙ガーディアン(電子版)は、ツイッター上で同様の苦情が数十件、関連投稿に至っては数百を確認したと明言。被害を受けた人は予想以上に多いといったトーンで報じた。

 一方BBCは、アップルが製品をズボンの後ろポケットに入れたまま座る動作を数年間にわたり数千回繰り返す“着席テスト”や、製品の左右両端から力を加える“ねじりテスト”を8000回実施したはずだと指摘し、湾曲騒動に疑問を示している。

 ヌード写真流出から

 アップルにとって一連のトラブルの“ケチのつき始め”となったのが、1日に発覚した自社データ保存サービス「iCloud(アイクラウド)」へのハッキングによる米セレブ(有名人)のヌード写真流出事件だ。この事件でアイクラウドの安全性への疑念が高まり、アップル株は3日、前日比4%も下落。その後、株価は19日の6と6プラスの発売で持ち直したが、25日には一連の不具合で再び前日比約4%の下落となった。

 発売3日間で1000万台と自社最多売り上げ記録を更新した新型アイフォーンの株価への貢献ぶりは帳消しとなり、25日付ロイター通信よると、この日だけで企業の価値を示す時価総額が230億ドル(約2兆5000億円)分吹き飛んだ。

 度重なる不手際で伝説的な創業者、スティーブ・ジョブズ時代の輝きがすっかり色あせたアップルだが、ヌード写真流出問題では20日に2度目の被害が確認され、ハッカーが英女優エマ・ワトソンさん(24)のヌード写真流出を予告する事態にまで発展した。結局、ワトソンさんへの流出予告については24日にマーケティング会社によるいたずらと判明したが、逆風はしばらく収まりそうにない。(SANKEI EXPRESS

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