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【クレモンティーヌのパリ便り】かわいい子には旅をさせろ
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日本滞在の最終日。ソリータ(写真中央)もアールデコ・パリの友達も、これから荷造りです!=2014年9月23日(クレモンティーヌさん提供) 皆さん、お元気ですか? パリは連日秋晴れ、気持ちのいい時間が流れています。芸術の秋の始まりですよ。先週からオペラや芝居にコンサート、美術展も今年度のプログラムが開始しました。今年も興味深いラインアップがそろっています。まず何を観に行こうか迷っているところです。
昨日、娘のソリータが2週間の日本旅行から帰ってきました。大変充実した旅だったらしく上機嫌です。今日は皆さんに21歳のパリジェンヌ4人が見て感じた「日本」についてお話ししたいと思います。
彼女たちは全員、国立高等装飾美術大学(アールデコ・パリ)に在学中。それぞれ専攻は違うものの、「アート」への探究心でつながる4人の今回の旅のテーマは「日本の美術を観る」ことでした。
京都や奈良では神社仏閣の「街ごと静の美」に感動し、瀬戸内海に浮かぶ直島では今まで見たこともない「島ごとアート」に感激。東京ではたくさんの美術館はもとより、新宿や原宿の「街ごとカオス」というアートに感嘆し、いろんな街を寝る間も惜しんで歩き回ったようです。
彼女たちがこの旅で一番感動したことは何だと思いますか?
それはね! 歩き回った数だけあったいろいろな「出会い」で感じた日本人の「やさしさ」と「細やかさ」だったようです。
言語がアルファベット表記ではない国を訪れるのが今回初めての3人の友人は、コミュニケーション方法が不安で仕方なかったようですが、旅行中快適な時間を過ごせたのはすべて人のやさしさのおかげだと言っています。若者同士のある意味「行き当たりばったり」の計画されていない旅ですからハプニングもいろいろあったようですが、その都度誰かに助けてもらい何とかなったようです。
宇野から岡山に行きたかったのに反対の電車に乗ってしまったとき、駅員さんが乗り場まで連れて行ってくれたこと。奈良の法隆寺では拝観時間が過ぎてしまっていたのに「わざわざフランスから来てくれたから」と言って中に入れてくれたこと。直島で歩きすぎて足を引きずっていたら、絆創膏を1箱くれたおばあさんのこと。何十回と道に迷っても必ず誰かが近寄ってきて、道を教えてくれたとのことです。中には目的の場所まで一緒に連れていってくれた人もいたそうです。
レストランで必ず出てくるおしぼりとお水にも驚いていました。ブティックの店員さんも感じが良くて、安価なものしか購入しなくてもきれいにラッピングしてくれることも驚きでした。すべてはフランスにはないものですから。今年から東京に住んでいる日仏ハーフのお友達に「日本式」についていろいろ説明してもらったこともよかったようです。
一番の違いは、日本人はいつも笑顔! フランス人はいつでも仏頂面!
笑顔の人を見てフランス人は言います。「Trop bon trop con.(トロ ボン トロ コン=ばかみたいにいい人)」。日本人は言います。「笑う門には福きたる」
フランス人は言います「Il faut discuter.(イル フォー ディスキュテ=話し合わなければ)」。日本人は言います。「沈黙は金」
絶対的な文化の差ですよね。それでも若い彼女たちが今回経験した日本の文化は、今後の人生にとって必ずプラスになっていくと信じています。「かわいい子には旅をさせろ」は両国共通のことわざですから。