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軽率か個人の自由か セルフヌード論争 J・ローレンス「ポルノか、私を見てもらうか…」

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軽率か個人の自由か セルフヌード論争 J・ローレンス「ポルノか、私を見てもらうか…」

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 米人気女優らセレブの私的なヌード写真がハッキングされ、インターネット上に流失した事件で、被害者の一人である米女優、ジェニファー・ローレンスさん(24)は14日発売の米誌「バニティ・フェア」のインタビューで、自分のヌード写真を撮影・保存していたのは遠距離恋愛を4年間続けていた恋人のためだったと明らかにした。全米では不特定多数がアクセス可能なコンピューター上に自分のヌードを保存する行為を「軽率」とする声がある一方で、女性を中心に、こうしたハッカー行為を新たな性犯罪として取り締まるべきだとする意見も強く、大きな論争になっている。

 「私は4年間にわたり、愛情に満ち、健康的で、偉大な恋愛関係の中にあったの。でも遠距離恋愛だったから、私は彼にポルノを見てもらうか、私を見てもらうか、そのどちらかを選ぶしかなかったのよ」

 ローレンスさんはインタビューで、セルフヌードを米アップルのデータ保存サービス「iCloud(アイクラウド)」に保存した理由をこう説明した。

 家族への告白つらく

 ロイター通信によると、ローレンスさんは英俳優、ニコラス・ホルトさん(24)と交際していたが、この夏に破局した。2人は2011年公開の米SF映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」で共演。これがきっかけで交際が始まったとされており、4年間交際した遠距離恋愛の「彼」とはホルトさんのことだったとみられる。

 犯人は、盗んだ写真を米画像掲示板の「4chan」などに投稿。写真はすぐに削除されたが、ローレンスさんは「私的な写真が流出したと知ったときはただただ怖かった。このことが私の人生での経歴にどんな影響を及ぼすかも分からなかったから」と語った。

 一番つらかったのは、この件を家族に告げなければならなかったことだと言い、「幸い父はゴルフの最中で機嫌が良かったから助かった」と気丈にそのときの様子を振り返ってみせた。

 「私の裸を見ていいなんて…」

 ただ、米国では自分のヌードを写真に撮ってコンピューターに保存していた行為を自業自得と戒める論調も少なくない。米紙ニューヨーク・タイムズのニック・ビルトン記者は「流出被害にあったセレブたちへの助言。その1、セルフヌードを撮らないこと。その2、セルフヌードを撮らないこと。その3、セルフヌードを撮らないこと」とツイート。これに対し、米女優、リナ・ダナムさん(28)は「流出させたくなければ写真を撮るな、というのは暴行事件にあった女性に対して『ミニスカートをはいていたのが悪い』と言うのと同じことよ」とツイッターで反撃した。

 ビルトン記者はその後、謝罪してツイートを削除しており、「女性が私的にセクシーな写真を撮るのは個人の自由」という論調が米国では支持を得ているようにもみえる。

 “ファプニング”。英BBC放送(電子版)によると、ハッカーたちは、ヌード写真にアクセスし、それを公開して仮想通貨ビットコインを得る行為を“ハプニング”と性的行為を意味する俗語“ファッピング”を掛け合わせ、こんなふざけた隠語で呼んでいるのだという。

 「誰であれ、あの写真を見ている人たちが性暴力を存続させているのよ。私の大好きな人たちでさえ、私に『ああ、例の写真見たよ』なんて平気で言う。私の裸を見ていいなんて言った覚えはないのに…」。ローレンスさんはバニティ・フェアとのインタビューで、現在の心境をこう語った。

 写真流出は撮った側の自己責任でも、その写真を前にどういう対応を取るかは個々人の良心に委ねられている。

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