SankeiBiz for mobile

グーグル「監視網」で児童ポルノ通報…逮捕協力に論議

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの国際

グーグル「監視網」で児童ポルノ通報…逮捕協力に論議

更新

 米IT大手のグーグルが、自社で無料提供している電子メールのサービス「Gメール」の利用者の中に、少女のポルノ画像を友人に送った人物がいるのを発見して人権団体を通じ警察に通報し、この人物が逮捕されたことが8月5日までに、分かった。英米などでは児童ポルノは単純所持も処罰対象で、グーグルは昨年(2013年)11月、児童ポルノの捜査に協力すると表明。今年4月にはGメールの内容を全てモニタリングしているとの記述を利用規約に追加した。しかし米国ではモニタリングがプライバシーの侵害に当たるとの訴訟も起きており、論議を呼んでいる。

 逮捕されたのは、米テキサス州ヒューストンに住むジョン・ヘンリー・スキラーン容疑者(41)。

 ヒューストンのテレビ局KHOU(電子版)によると、グーグルは、少女のポルノ画像送信の事実を、失踪児童の捜索や性的搾取の防止などを訴える非営利団体「全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)」に連絡。この団体が地元警察に通報したことで警察が家宅捜索に踏み切り、携帯電話やタブレット端末から多くの児童ポルノ画像を発見し、7月30日に逮捕した。

 200人の専門部隊

 捜査当局によると、スキラーン容疑者は1994年、8歳の男児への性的暴行で有罪判決を受けている。両親と同居し、ごく普通の暮らしぶりだったが、実は児童ポルノのマニアで、料理人として働くファミリーレストラン「デニーズ」に来た客のうち、好みの児童の動画を隠し撮りしていたという。

 ネット犯罪担当のデビッド・ネトルズ捜査官はKHOUに「容疑者はわれわれの目をごまかすため、問題の写真をメールの内部に隠そうとしていた。われわれはその情報を見ることができないが、グーグルにはそれができる」と感謝の意を示した。

 Gメールは全世界に約4億人の利用者を持つ世界最大の無料メールサービス。グーグルのエリック・シュミット会長(59)は「児童ポルノ画像などの対策に200人の専門部隊を投入した」と語り、画像を見つけ次第、積極的に削除し、迅速に当局に報告する意向を表明していた。

 「プライバシー侵害」「感謝」

 ただ、メールの監視基準などは藪の中で、グーグル側の恣意(しい)的な判断によって間違って犯人に仕立て上げられないかという不安は残る。英BBC放送やフランス通信(AFP)などは4日、今回の事件が契機となってグーグルが今後、捜査当局や裁判所にGメールの利用者の情報を与える動きを加速させることへの懸念も報道した。

 実際、米国では既にGメールのモニタリングについて「プライバシーの侵害」との理由で訴訟が複数、起きている。

 だが、欧米では無抵抗の子供を食い物にする児童ポルノは人権侵害として最悪の部類の犯罪に位置づけられる。英国では最近、33歳の母親が投稿した生後19カ月の娘の写真が、児童ポルノ対策のヌード規定に触れるとして無料の画像共有サービス、インスタグラムにより削除されたが、利用者からは写真を投稿した母親に対し「鈍感」との非難が相次いだ。

 プライバシーへの保護意識が高い欧米諸国だが、これまでのところはグーグルの対応を支持する意見が多そうだ。そうした思いが特に強いのは“犯罪者”の近所に住む住人たちかもしれない。スキラーン容疑者の隣人、イエセニア・ゴンザレスさんはKHOUの取材に「彼は普通の好人物に見えた。グーグルには感謝するよ」と話した。(SANKEI EXPRESS

ランキング