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【欧州サッカー】エル・クラシコ 「伝統の一戦」 5億人が興奮

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【欧州サッカー】エル・クラシコ 「伝統の一戦」 5億人が興奮

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レアル・マドリード(スペイン)  エル・クラシコと呼ばれる。直訳すれば、伝統の一戦とでもいうのだろう。各地に伝統の一戦はある。日本でいえば、六大学野球の早慶戦やラグビーの早明戦、プロ野球の巨人-阪神戦などがこれに当たるのだろう。

 だがリーガ(スペインリーグ)のレアルマドリード対FCバルセロナの対戦への世界の注目度は、他と比べようがない。

 25日、マドリーの本拠地、サンチャゴ・ベルナベウで、「クラシコ」が行われた。試合は全世界140カ国で生中継され、約5億人が見たとされる。

 バルサには、20世紀のペレ、マラドーナに肩を並べる世界の至宝、メッシ(アルゼンチン)がいる。地元ブラジルワールドカップ(W杯)では腰骨の骨折でピッチを後にして王国中を泣かせたネイマールも元気に復活した。W杯を「かみつき」で去ったスアレス(ウルグアイ)も出場停止明けで、バルサ・デビューを飾った。スペイン・パスサッカーの心臓部、シャビもイニエスタも健在。闘志と献身の守備でアルゼンチンを牽引(けんいん)し、先のW杯で最も印象的だったマスケラーノが中盤の底にいる。これほど魅力的なチームはW杯にも存在し得ない。

 いや、マドリーがある。メッシの唯一のライバル、クリスティアーノ・ロナルド(ポルトガル)は今季絶好調。チームにはブラジルW杯が生んだ若きヒーロー、ハメス・ロドリゲス(コロンビア)と優勝したドイツの司令塔クロースが加わった。

 フランスの点取り屋ベンゼマがゴールをにらみ、自軍ゴールはミスター・スペイン、カシージャスが守る。両軍ともW杯オールスターズの趣で、しかも代表チームとは違って濃縮された時間をともに過ごし、戦術が徹底されている。

 全世界興奮のゲームは開始早々、スアレスのサイドチェンジを受けたネイマールが中央に切り込み右足で決め、バルサが先制した。マドリーもマルセロ(ブラジル)のクロスをピケ(スペイン)がハンドで止め、PKをロナルドが右隅に決めて同点とした。

 こうして名を連ねるだけで、なんという豪華さだろう。

 ≪サッカーのすてきな部分が凝縮されたゲーム≫

 試合は後半、マドリーがクロースの右CKをペペ(ブラジル)が頭で決めて勝ち越すと、Cロナルドのパスを受けたハメス・ロドリゲスがスルーパスを前へ、これをベンゼマが決めて勝利を確実なものにした。バルサはメッシがGKカシージャスと1対1のチャンスを阻まれるなど、再三の好機を逸した。CロナルドのPKが今季、バルサの初失点。Cロナルドは得点王争い独走の16点目で、1試合2点勘定の超ハイペースで突っ走っている。

 クラシコでは、スペイン内戦やカタロニアの独立問題といった歴史的背景も語られる。それ以上に対照的なサッカー哲学の激突にファンは酔う。マドリーは豊富な資金力で世界のスーパースターを集め、銀河系軍団と称せられる。バルサはメッシ、シャビ、イニエスタに代表されるように、あくまで下部組織で育てた選手で攻撃的戦術を徹底し、その魅力でネイマールやスアレスらを吸い寄せた。

 世界のサッカーがどこに向かうか。戦術の衝突にも注目は集まった。長く世界に君臨したスペインのパスサッカーを象徴するのがバルサであれば、ブラジルW杯を席巻したカウンター駆使の究極形がCロナルドの運動能力を最大限に生かした今のマドリーの姿だろう。

 結果はバルサがボールを保持し、決定機はマドリーが上回った。ネイマールは試合後、「彼らはうまくカウンターを生かし、僕らはそれを止めることができなかった」と話した。

 ゲームをとことん単純化して語れば、ネイマールの言葉が全てなのだろう。

 だがサッカーは、そんな単純なものではない。メッシやネイマールのマジックは、何度も敵地ベルナベウのため息を誘った。マスケラーノの献身は相変わらず感動的だった。

 W杯で自らの名声を地に落としたGKカシージャスは存在感を取り戻した。ロナルドとハメスは何年も一緒にやってきたようだった。サッカーのすてきな部分が凝縮されたようなゲームを約束してくれる。それがクラシコの最大の魅力なのだろう。(EX編集部/撮影:AP、ロイター/SANKEI EXPRESS

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