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無料配信 歌姫の反乱に支持 使用料わずか ボン・ジョヴィ代表曲でも「ピザ1枚分」

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無料配信 歌姫の反乱に支持 使用料わずか ボン・ジョヴィ代表曲でも「ピザ1枚分」

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 「音楽はタダではない」と、若者に人気の無料音楽配信サイト「スポティファイ」から自身の全楽曲を引き揚げた米人気女性カントリー歌手、テイラー・スウィフトさん(24)。米音楽業界では国を代表する「歌姫」のとった行動に賛同し、呼応する動きが広がっている。米大物ソングライターのデズモンド・チャイルドさん(61)は別のストリーミングサービスで、彼が作曲に関わった米バンド「ボン・ジョヴィ」の代表曲の3カ月間の使用料がたった110ドル(約1万2700円)だったと暴露。多くの米メディアもこうしたサービスが結果として楽曲の対価を大きく引き下げ、新人アーティストの芽を摘みかねない事態に懸念を示している。

 650万人が視聴

 本国だけでシングル盤80万枚、2013年には有料配信計300万ダウンロードを記録したボン・ジョヴィの世界的ヒット曲「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」(1986年)。

 ところがこの楽曲を作詞・作曲したバンドメンバーのジョン・ボン・ジョヴィ(52)、リッチー・サンボラ(55)両氏とソングライターのチャイルドさんに、ネットラジオと呼ばれる米無料音楽サービス「パンドラ」が12年のとある3カ月間に支払った使用料は総額110ドル。3人でこれを分けると1人の取り分は約4200円だった。

 現地時間12日の米CNN(電子版)の報道によると、3カ月の間にパンドラでこの楽曲を聴いた人は650万人。チャイルドさんはCNNの取材に「それぞれがもらったお金で買えるのはピザくらい。一応、ラージサイズだけど」とあきれ顔で語った。

 チャイルドさんは「キッス」や「エアロスミス」、シェールさん(68)などの人気バンドや歌手に楽曲を提供してきた業界の超大物。CNNは、そんな彼や同じくパンドラから400万人の視聴に対し114ドル(約1万3000円)しかもらえなかった米歌手、ベット・ミドラーさん(68)の例を挙げ、広告収入に多くを頼る無料配信サービスのあり方を批判した。

 激減する対価

 スウェーデン生まれのスポティファイは楽曲の間に広告をはさむことで無料配信を実現。広告の入らない「定額聴き放題サービス」もあるが、米国で9.99ドル(1カ月間)と安価で、ユーザーが楽曲を聴いた際に得られるアーティストの対価は有料ダウンロード・サービスの1曲約9円から1曲約0.4円に激減したとする報道もある。

 もちろん、音楽は著作物なので、スポティファイ側は大手レコードレーベルと契約を結び、使用料を支払っている。スポティファイのダニエル・エクCEO(31)は「08年のサービス開始から現在までの約6年間に総額約20億ドル(約2300億円)を音楽業界や歌手らに支払った」と主張しているが、CDなどの売り上げを低下させる側面を考えると、薄利だ。

 スウィフトの決断

 こうした状況下でもやっていけるのは一握りの超大物だけ。米誌タイム(電子版)は12日、トップスターのスウィフトさんがスポティファイから昨年受け取った楽曲使用料は200万ドル(約2億3000万円)で、来年は有料会員の急増もあって恐らく600万ドル(約7億円)に増えるだろうと報じた。

 それでもスウィフトさんはスポティファイからの楽曲引き揚げという決断を下したことになる。

 「テイラー・スウィフトのことで、みんながこの問題をもっと考えるようになったことがうれしい。僕は、このビジネスモデルは不完全なものだと前から思っていたからね」。今年のアメリカーナ音楽栄誉賞・最優秀アーティスト賞を受賞した米歌手、ジェイソン・イズベルさん(35)はCNNの取材に、「歌姫」の反乱を支持する考えを示した。(SANKEI EXPRESS

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