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YouTube 夏にも有料音楽配信 独立レーベル「排除」に悲鳴

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YouTube 夏にも有料音楽配信 独立レーベル「排除」に悲鳴

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 米グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」が、今夏にもデータを受信しながら同時に再生する「ストリーミング」方式の定額制音楽配信サービスを始めることが6月17日、分かった。新サービスでは、有料会員は広告なしでオフライン状態でも音楽を楽しめる。同種のサービスは北欧で2006年に設立されたスポティファイの大成功を皮切りに米アマゾンや米アップルなどが続々参入を表明、音楽コンテンツに強いユーチューブも追随を決めた。しかし、条件が不利だとして新サービスへの提携を拒否した独立系レコード会社に対し、グーグル側は歌手らの動画投稿をブロックすると通告したため、音楽業界に混乱が広がっている。

 不利な契約かブロックか

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、電子版)やロイター通信などによると、ユーチューブのコンテンツ・ビジネス計画担当責任者、ロバート・キンクル氏は、新サービスの開始にあたり、ユニバーサル、ソニー、ワーナーの3大レコード会社を含む全世界のレコード会社の95%(数百社)と契約を締結し、協力体制を取り付けたと説明した。

 そのうえでキンクル氏は「(新サービスを)100%成功させたいと望んでいるが、それはゴールでなく、利用者と業界の音楽体験を向上させることがわれわれに課せられた責任だ」と発言。ユーチューブの親会社であるグーグルが2006年以降、楽曲の権利保有者らとのライセンス契約を通じ、総額10億ドル(約1022億円)を音楽業界に支払った、と強調した。

 ところが、独立系レコード会社との提携交渉では、グーグル側が他のストリーミング方式の音楽配信サービスと同様、大手に比べて不利な条件を提示したため、多くが提携を拒否。これに対し、グーグル側は提携を拒否した独立系レコード会社の歌手やバンドの動画投稿を“数日中に”ブロックするという強硬措置をとる考えを示した。

 最近は大手を離れ、小さなレコード会社で独自に活動するアーティストも多く、提携を拒否しているレコード会社には、2作目のアルバム「21」が全世界で2640万枚の大ヒットとなった英女性歌手アデル(26)のほか、レディオヘッドやアークティック・モンキーズといった英人気バンドも所属している。

 「力ずく」ギタリストら非難

 レディオヘッドのギター奏者、エド・オブライエン氏(46)は英BBC放送(電子版)に、グーグル側が低い契約料を受け入れるよう「力ずくで」迫ってきたと非難。業界団体である世界独立系レコード会社ネットワーク(WIN)のアリソン・ウェナムCEO(最高経営責任者)は6月17日付米経済誌フォーブス(電子版)で「これは公正なビジネスではない。罪のないレコード会社とミュージシャン、そのファンたちを痛めつけるやり方にあらゆる方法で対抗する」と訴えた。

 05年設立のユーチューブは月間10億人の訪問者がある無料サービスの代表格で、独立系レコード会社や新人歌手が自分の動画を投稿し、成功の足がかりをつかむ場となってきた。大手に有利な定額制音楽配信サービスのスタートは、そうしたユーチューブの性格を大きく変えてしまう可能性があり、独立系レコード会社やアーティストからは「音楽マーケットをミスリードするもので、ビジネス判断の重大な誤りだ」(ウェナムCEO)と悲鳴のような声も聞こえてくる。(SANKEI EXPRESS

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