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amazon 「リビング」に進出 新端末発表「TVでネット通販」目指す

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amazon 「リビング」に進出 新端末発表「TVでネット通販」目指す

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 ネット通販世界最大手の米アマゾン・ドットコムは4月2日、ネット配信された映像をテレビで視聴するための専用端末「ファイアTV」を発表した。アマゾンが扱うハリウッド映画やテレビドラマなど計20万作品が大画面テレビでも楽しめるようになるうえ、音声操作で見たい映画などを検索できる優れものだ。同時に別売りのコントローラーによって数千のゲームを楽しめるサービスを開始することも表明した。音楽や動画の有料配信で米アップルや米グーグルに大きく出遅れていたアマゾンは、この端末で一気に巻き返しを図るとともに、近い将来、消費者が家庭のリビングでテレビ画面をみながらネット通販で買い物をする新たな“テレビショッピング”サービスの本格展開を見据えているようだ。

 配信動画が楽しめる

 発表によると、「ファイアTV」はテレビに接続する小さな箱形で1台99ドル(約1万円)。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載し、ストリーミング(データ受信と同時に再生を行う)技術で映像を配信する。自社の動画に加え、米動画配信大手のネットフリックスやHulu(フールー)、ユーチューブなど他社の動画配信サービスも視聴できる。

 同種の端末は、アップルが2006年から「アップルTV」(99ドル)、米ロク社が08年から「ロク」、グーグルが昨年(2013年)から「クロームキャスト」(35ドル)を発売。米市場調査会社ストラテジー・アナリティクスによると、これらの端末の総売上高は今年、前年比24%増が予想される有望市場。端末市場を制すれば、その端末を通じたコンテンツの有料配信でも優位に立てるとあって競争が激化している。

 現在、シェア1位(43%)のアップルに追い付けとばかり、アマゾンも参入するわけだが、この日、ニューヨークで「ファイアTV」の発売を発表した電子書籍端末「キンドル部門」の副社長ピーター・ラーセン氏は会見で「ライバル社の端末には(1)検索機能が貧弱(2)動作が遅い(3)システムが閉鎖的-といった問題点があるが『ファイアTV』はこれらをすべて解消している」と胸を張った。

 それに加え、付属リモコンが内蔵するマイクを介し、俳優の名前を話しかければその俳優が出演する映画の一覧が登場したり、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末との連動でテレビで映画を見ながらその作品の出演俳優や監督の情報を閲覧することもできる。別売りのゲーム用コントローラー(39.99ドル)を購入すれば、数千種類のゲームを楽しめるサービスもスタートする。

 リモコンでお買い物

 アマゾンは「ファイアTV」の発売によって、全世界に約2000万人いる有料会員「アマゾンプライム」のさらなる会員増をもくろむ。有料会員になれば追加料金なしで映画が見放題となるため、この端末の利点を最大限享受できるというのが売り文句だ。

 そして究極の目標が“テレビショッピング”市場への本格進出だ。米フォレスト・リサーチのアナリスト、ジェームズ・マクベイ氏はロイター通信に「アマゾンは将来的に(自宅の)リビングでの買い物を普及させたいと考えている。リビングでこうした総合体験を実現できる企業はアマゾンだけだ」と説明。将来、テレビ画面に映るCMを見た消費者は、その商品を「ファイアTV」のリモコンを使ってアマゾンで購入すると予想する。

 一段と生活に密着したネット通販サービスの提供は、巨大化するネット産業に新たな商機と競争をもたらしそうだ。(SANKEI EXPRESS

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