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踊る吹奏楽部 被災地にも笑顔届ける 大人気の北海道・池田高 年間70公演
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公演で演奏をする北海道立池田高校吹奏楽部のメンバー=2014年3月30日、北海道中川郡池田町(共同) 北海道立池田高校(池田町)の吹奏楽部は踊りながら演奏する全国でも珍しいスタイル「ダンス&プレー」が持ち味だ。町や福祉施設でのイベントに引っ張りだこ。年間70回もの公演をこなす傍ら、東日本大震災後は募金を集め、これまでに計約300万円を町と交流が深い岩手県山田町に復興義援金として送った。
ちょうネクタイ姿の4人が金管楽器を吹きながらステージを駆け、ステップ、ターン。後方のチューバとドラムの2人もノリノリだ。アイドルグループ「Perfume」の「レーザービーム」の最後を笑顔のポーズで決めた。
「4、5曲で息がすっかり上がります」と主将の3年生、原田恵実さん(17)が語る激しい公演はどうして始まったのか。
もともとは普通の吹奏楽部だった。2008年9月ごろ、当時の顧問と部員が校外で演奏する場を求めて地元の祭りの主催者に頼みに行った。
「吹奏楽は片付けに時間がかかる」。難色を示されたため椅子と譜面台の使用をやめたら、周りががらんとしてしまった。それを逆手にとって「動きながら演奏しよう」というアイデアが生まれ、進歩を重ねていった。
振り付けは部員が考え、毎年40種類以上が新たに生まれるという。全日本吹奏楽連盟(東京)によると、高校の部活では珍しいパフォーマンス。ダンスのチェック用に動画投稿サイト「ユーチューブ」に載せた公演の映像も人気を集めている。
今では町内外のイベントや老人ホームなどから出演依頼が殺到。12年9月には義援金を送っている山田町に行き、仮設の住宅や店舗の前で演奏した。「うるさいと思われないか」と不安もあったが「お客さまに明るく話しかけていただいて、逆に元気をもらいました」と原田さんは振り返る。
1月で当時の3年生が引退し、部員は一時、原田さんら6人だけに。例年の半分だ。公演休止を考えたが何とか続け、春休みには多いときで週4回こなした。4月には10人を超す新入部員が加わり、演奏やダンスの幅が広がると喜んでいる。
ダンスのないコンクールにも出るため平日は毎日練習、土日は公演と忙しいが、原田さんら部員の表情は明るい。「聞いてくれる人をもっともっと笑顔にできるような演奏を身に付けたいです」(SANKEI EXPRESS)