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【取材最前線】街を挙げてコスプレ支援
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アニメやゲームキャラクターになりきって非日常の世界に遊びたい-。千葉県松戸市はそんな「コスプレレー(コスチューム・プレー)の夢実現」を官民挙げて応援している。
数年前からアニメキャラにふんした若者が毎週末、松戸市千駄堀の公園「21世紀の森と広場」に自然発生的に集まるようになったことが発端。地域の大人たちがコスプレファンの真面目さを知り、当初は奇異に思えた姿が街を明るくすることに気づいて、「松戸発展の起爆剤はコレだ」と確信したことが「変身願望支援都市」誕生のきっかけという。少し前までの冷たい視線は一変し、今や多くの市民が熱い視線を送っている。
コスプレファンは10、20代の女性が中心だ。コスチュームに着替えるスペースの確保が共通の悩みだが、公園内の施設が使用できる。これも「コスプレの聖地」となった理由の一つという。初冬の公園でアニメのシーンを再現して写真撮影を楽しむ女性グループは「治安が良いので安心。全国各地のファンと仲良くなれるのもいい」と笑顔を見せる。
11月3日には市や商工会議所が協力する「コスプレファッションショー」が公演で開かれ、28組がアニメやゲームから抜け出した華やかな姿を披露し、市民権を得た若者文化が市民を楽しませた。
「コスプレファンを買い物や食事に呼び込もう」。そう考えた八柱駅前中央商店会は今秋、公園最寄り駅の新京成八柱駅とJR新八柱駅周辺に歓迎ポスター300枚を張りだした。
ポスターでは、駅前メーンストリートをバックに、同じ女の子の制服姿とアニメキャラクター姿のイラストが並び、大きく「週末の私は、変身する-」。市の萌えキャラ防犯ポスターも手がけるイラストレーター、七六(ななろく)さんの力作だ。イラストの制服は市立松戸高校のもので、市の協力で採用が実現した。
コスプレファンの女性たちは「姿を変え、名前も変えてポーズをとると気持ちがいい」と話す。「アニメやゲームには男性キャラもたくさん登場する。仲間になって楽しみましょう」とのこと。読者の皆さんもぜひ挑戦してほしい。(江田隆一/SANKEI EXPRESS)