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初の「黒人ボンド」英で賛否 007にイドリス・エルバさん起用検討

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初の「黒人ボンド」英で賛否 007にイドリス・エルバさん起用検討

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「次のボンド役」候補と報じられた英俳優、イドリス・エルバさん。次回作「スペクター」を含む2本についてはダニエル・クレイグさんの続投が現時点で決まっている=2014年10月2日、英国・首都ロンドン(ロイター)  映画「007」シリーズの主人公である英国人スパイのジェームズ・ボンド役に英黒人俳優、イドリス・エルバさん(42)の起用が検討されていることが分かり、英国で賛否両論を巻き起こしている。このニュースを報じたメディアのコメント欄は殺到した投稿で炎上し、エルバさん本人がツイッターで噂を「否定」する羽目に追いやられた。ただネタの出元に一定の信頼性があるだけに、すんなり火消しというわけにはいきそうにない。

 サイバー攻撃で漏洩

 12月28日付の英紙デーリー・メールやインディペンデント(いずれも電子版)などによると、事の発端は、映画の製作元である米ソニー・ピクチャーズエンターテインメント(SPE)を襲ったサイバー攻撃で、「次のボンドはイドリスが演じるべきだ」と書かれたエイミー・パスカル共同会長(56)の電子メールが漏れたことだ。

 エルバさんは南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領を演じた映画「マンデラ 自由への長い道」(2013年)などで知られる英国の二枚目俳優。だが、初の黒人ボンドへのハレーションは大きく、関連ニュースを報じた12月24日付と12月28日付のデーリー・メールのコメント欄には「彼がボンドを演じるならシャーロック・ホームズもスーパーマンもバットマンも黒人で良いわけだが、遠慮したいね。作家は新しいアイデアやキャラクターを作り出すべきで、オリジナルを変更すべきではない」といった投稿が相次いだ。

 ツイッターで「否定」

 もちろん、「ボンドは架空の人物なので、クールでハンサムで上品ならどんな民族が演じても良いのでは」「架空の人物を黒人が演じてはいけない理由はない」などの肯定論もあったが、非難も殺到。「白人に(黒人の)ネルソン・マンデラを演じさせるのか?」「トム・ハンクスが(米公民権運動指導者の)マーティン・ルーサー・キングを演じるようなものだ」といった人種差別すれすれの投稿も少なくなかった。

 こうした批判の高まりに、エルバさんは28日、ツイッターに「007ってハンサムじゃなきゃいけないんだろ? みんなが僕にチャンスがあると思ってくれてうれしいよ。良い新年を」というコメントとともに、自身の変顔写真を投稿し、一連の報道を否定したともとれなくない対応をとってみせた。

 異なる配役に意欲的

 とはいえ、ボンド映画はこれまで、原作の設定とは異なる配役に意欲的に取り組んできた歴史がある。

 ボンドの上司のMは原作では男性だが、映画では「ゴールデンアイ」(95年)から前作「スカイフォール」(2012年)まで英女優、ジュディ・デンチさん(80)を起用。「カジノ・ロワイヤル」(06年)でボンドの盟友、フェリックス・ライターを米黒人俳優に、「スカイフォール」でMの女性秘書、ミス・マネーペニーを英黒人女優に切り替え、長期シリーズに新風を吹き込んできた。

 そもそもボンドは原作では黒髪で、英俳優、ダニエル・クレイグさん(46)の起用が決まったときにも「シリーズ初の金髪ボンド」と物議を醸した。起用発表の直後には欧米でアンチサイトができるなどファンの激しいバッシングにさらされたが、今では長期続投を望む声が絶えない。

 エルバさんは、米映画情報サイトTCキャンドラーが28日に発表した「2014 世界で最もハンサムな顔100人」で6位にランクイン。ボンドといえばイケメンの代名詞でもあり、実際に起用されれば49位のクレイグさんより案外人気が出るかもしれない…。(SANKEI EXPRESS

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