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【サッカー】FIFAバロンドール 完璧ロナルド 3度目の笑み
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2年連続3度目のバロンドールを受賞したクリスチアノ・ロナルド。黄金の右足に抱きつき、はにかむのは息子のクリスチアノJr.=2015年1月12日、オーストリア・チューリヒ(ロイター) これほど正装が似合うサッカー選手も珍しい。表情、体格、着こなし、どれをとっても申し分ない。数多くのスーパーゴールを生み出した黄金の右足に抱きつく息子のクリスチアノJr.のはにかむ姿が、完璧男の絵にほほ笑みを加えている。
国際サッカー連盟(FIFA)は12日、スイスのチューリヒで2014年の世界年間最優秀選手など各賞を発表し、男子最優秀選手「FIFAバロンドール」に、ポルトガル代表でレアルマドリードのFWクリスチアノ・ロナルド(29)を選出した。ロナルドは2年連続3度目の受賞。昨季の欧州チャンピオンズリーグで大会新記録の17得点を挙げ、Rマドリードの史上最多10度目の欧州制覇に貢献した。
ロナルドは各国代表チームの監督と主将、記者による投票(1位5点、2位3点、3位1点)で、総点数の37.66%を獲得。最終候補に残っていたアルゼンチン代表でバルセロナのFWリオネル・メッシ(27)の15.76%、ドイツ代表でバイエルン・ミュンヘンGKマヌエル・ノイアー(28)の15.72%を上回った。
昨年の受賞では涙でトロフィーを受け取ったロナルドだが、この日は満面の笑みで「14年は忘れられない年になった。このトロフィーは他に類をみないもの。日々、もっと向上して史上最高の選手の一人になりたい」と語った。
両足よし、頭よし、スピードありの完璧なFW。この先、何を磨くのか心配してしまうが、母国代表でのワールドカップ(W杯)では昨年のブラジル大会でも精彩を欠いた。3度目のバロンドールを手にし、W杯トロフィーこそがまだ触れることができない最大最終の目標となるのだろう。
女子最優秀選手はドイツ代表MFケスラー(ウォルフスブルク)が初受賞。男子最優秀監督には、昨年のW杯で優勝したドイツ代表のレーウ監督が選出された。
FIFA会長賞は、90歳の現役サッカージャーナリスト、元サンケイスポーツ大阪編集局長の賀川浩(ひろし)氏が日本人で初めて受賞した。
≪心優しき守護神 来年こそ≫
3人は同じステージに立っているのだが、これほどにもサイズが違う。左からノイアー193センチ、メッシ169センチ、ロナルド185センチ。ノイアーとメッシの差は24センチだが、実際にはもっとあるようにみえる。
ドイツとバイエルンの守護神ノイアーこそ最優秀選手との声は高かった。投票では僅差でメッシにも敗れて3位に終わったが、新時代のGKとして受賞の下馬評も高かった。
ゴール前での無類の強さはもちろん、自陣のすべてをカバーする広い守備範囲がブラジル大会でドイツにW杯をもたらした。高いDFラインを敷けるのも、広い後方をノイアーが一人で全て守りきれるから。加えて長く正確なキックは最後方から直接ゴールアシストも望める。
日本代表のアギーレ監督は2位にノイアーを、主将として投票した本田圭佑は1位にノイアー、ロナルドは3位に投票していた。
忘れがたいのは日本との縁だ。シャルケのGK時代の2011年3月、東日本大震災直後の試合前、同僚DFの内田篤人(あつと)はユニホームの下の白いシャツに「日本の皆へ。少しでも多くの命が救われますように。共に生きよう」と日本語とドイツ語でメッセージを書き込んだ。
ノイアーが「それをスタンドに見せるのか」と問うと、内田は「勝ったら」と答えたのだという。「勝つさ」と話したノイアーは正確なゴールキックで直接得点をアシスト。勝利後、ためらう内田をスタンド前に連れて行き、ユニホームをまくらせた。来年こそは、心優しき守護神がフィールドプレーヤーを抑えてバロンドールに輝くことを期待しよう。
次点に終わったメッシは09~12年の4年連続受賞者。ロナルドが08、13、14年の受賞だから7年もの長き間、2人でバロンドールを分け合ってきたことになる。今季はブラジルの至宝ネイマールに加え、ウルグアイのエース“かみつき”スアレスもバルサに迎えたが、ルイス・エンリケ監督との確執が噂され、身辺がきな臭い。
早くもチェルシーなどがメッシ獲得に手を挙げているとされ、育成年代から慣れ親しんだバルセロナに別れを告げる日が近づいているのかもしれない。
バルサとアルゼンチン代表以外のユニホームを着たことがないメッシにとって、クラブとの別れは新時代の到来なのか、終わりの始まりなのか。メッシの動向にも目が離せない。(EX編集部/撮影:ロイター、AP/SANKEI EXPRESS)