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負けず嫌いな主人公に共感 映画「マンゴーと赤い車椅子」 秋元才加さんインタビュー
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車椅子生活を送る主人公を熱演した秋元才加(さやか)さん=2015年1月9日、東京都港区西新橋(古厩正樹撮影) 子供の頃から人より目立つことが大好きだったという秋元才加(さやか、26)は、芸能界に入るや歌手、女優、司会者、タレント…と水を得た魚のように活躍の場を次々と広げていった。一昨年、人気アイドルグループ「AKB48」を卒業してからは、女優業を芸能活動の大きな柱に据え、舞台や映画で演技力を磨いてきた。「目立つこと以外で言えば、本の登場人物になりきって音読することも大好きでした。かじり付いて映画を見ていたという口ではないのですが、自分と違う誰かになりきって何かをするということが楽しいんです」
そんな秋元の2本目の主演映画「マンゴーと赤い車椅子」は、不慮の事故で歩けなくなった女性が「生きるとは何か」と真正面から問い続ける姿を描いたヒューマンドラマ。脚本も執筆した仲倉重郎(なかくら・しげお)監督(73)が自身の車いす体験を織り込んだオリジナル作品だ。
都内の内科病院で看護師をしていた彩夏(秋元)は23歳の誕生日、4階の自室から転落し、脊髄損傷で車いす生活になることを余儀なくされた。入院後は自暴自棄となり、無為に日々を送るだけだったが、車いすのミュージシャン、翔太(NAOTO)らに出会い、少しずつ笑顔を取り戻していくのだが…。
車いすの乗り方に関して、仲倉監督からは徹底的にリアリティーが求められ、「そんな乗り方はしませんよ」と秋元への注文も厳しいものとなった。「床から車いすへ、ベッドから車いすへの移動が特に大変でした。腕の力だけで移動しなければならないからです」。秋元は車いすを利用している祖母に協力を仰ぎ、車いすを借りて練習を積んだり、家族旅行では後ろから押してあげたりと、プライベートでも意識的に車いすに触れる機会を増やした。
彩夏の負けず嫌いで、頑固で、強がりなところはそっくりで、秋元は共感できるという。「でも、私は男性との不倫関係が嫌になって高い所から飛び降りるようなまねはしませんよ。そもそも不倫関係に苦しむ役柄を初めて経験したので、『女性はどんな気持ちで日々を過ごしているのか』と女性心理をきちんと調べたうえで、演技に臨みました」
もし人生が暗転してしまったとき、どう難局を打開するのだろう。「もちろん周囲の支えや友達のアドバイスはありがたいものですが、新しい局面へと踏み出すのは自分。どんなに時間がかかっても最初の一歩を踏み出す勇気が必要だと感じています」。健常者、障害者を問わず、映画を見た人に「私も頑張ってみようかな」と思ってもらえたら、ありがたいとも思っている。2月7日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:古厩(ふるまや)正樹/SANKEI EXPRESS)
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