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「米国籍ほしい」出産ツアー摘発 “国外脱出”中国人妊婦で大盛況

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「米国籍ほしい」出産ツアー摘発 “国外脱出”中国人妊婦で大盛況

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米カリフォルニア州オレンジ郡のアーバインにある出産ツアーの受け入れ先である「マタニティーホテル」のアパートに踏み込む連邦当局の捜査員=2015年3月3日(AP)  生まれてくる子供に米国籍を取得させるため、観光ビザで入国し出産する中国人ら外国籍の妊婦を滞在させていたカリフォルニア州のアパートなど計37カ所が3日、米国土安全保障省(DHS)などの当局によって一斉摘発された。中国では富裕層を中心に、出生地主義をとる米国で子供を産む“出産ツアー”が大盛況で、受け入れ先の通称「マタニティーホテル」が米国各地で運営され問題になっていた。背景には、大気汚染や食の安全問題に加え、習近平政権による反腐敗キャンペーンなどで国の将来への不安が高まっていることがあり、ある妊婦は「子供には幸せになってほしい」と訴えた。

 おとり捜査官が潜入

 米メディアによると、当局は3つの斡旋(あっせん)業者が運営するロサンゼルス、オレンジ、サン・バーナディーノ各郡のアパートや一軒家で家宅捜査を実施。周囲には乳児の泣き声や怒声が響きわたり、騒然となった。

 裁判所に提出された書面では、虚偽目的の観光ビザ取得や不法入国者の滞在、脱税の容疑で捜査を進めるとしている。妊婦を装ったDHSのおとり捜査官がツアーに参加するなどして内偵していたという。ただ、妊婦が観光ビザで入国し、たまたま出産することは罪に問えないため、現時点で妊婦の逮捕者は出ていない。

 費用は最高960万円

 斡旋業者はネット上に中国語のウェブサイトを開設し妊婦を募集。摘発された業者の一つは自社サイトで、1999年のビジネス立ち上げ以来、4000人の中国人妊婦を手助けしたと宣伝していた。料金は最低1万5000ドル(約180万円)からで、最高8万ドル(約960万円)を払った中国人妊婦もいるという。

 ツアー参加者は、業者の指導で入国審査で疑われないよう、おなかの膨らみが目立たないゆったりした服を着て、ハワイやラスベガスといった人気の観光地から入国し、マタニティーホテルに向かう。滞在期間は24~30週間で、出産した後、米国籍のパスポートと社会保障番号を受け取る。

 米国では両親の国籍に関係なく、国内で生まれた子供には米国籍が与えられ、子供が21歳になると両親にも永住権が付与される。米国で出産すれば、子供に米国で教育を受けさせたり、親が米国に移住したりできる道が開ける。

 高まる「国外脱出願望」

 中国では、2012年に米国で出産した中国人女性は08年の2倍以上の1万人に上るとも伝えられている。特に、習政権が格差拡大への批判をかわすため、特権階級を対象とした反腐敗キャンペーンを強化していることに不安を感じた富裕層の間で、“国外脱出願望”が高まっている。

 「中国でうまく事が運ぶならどうしてここに来る必要がありますか? 私は健康でいたいし、子供には幸せになってほしいし、新鮮な空気が吸いたいんです」

 湖南省からツアーに参加した妊婦のウーさんは米経済系ニュースサイトでこう訴えた。

 ただ、大勢の妊婦が滞在するマタニティーホテルの周辺では近隣とのトラブルも起きており米国内で反発が高まっている。

 保守系シンクタンク、移民研究センターのアナリスト、ジェシカ・ヴォーン氏は米FOXニュースに「まぎれもなく国益の脅威だ。米国の市民権が安く扱われており、非常に不快だ」と強く非難した。(SANKEI EXPRESS

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