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【サッカー日本代表】新監督にハリルホジッチ氏決定 国際経験豊富な知将 代表再建託す
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代表監督決定の会見に臨む日本サッカー協会の原博実専務理事(右)と霜田正浩強化担当技術委員長=2015年3月12日、東京都文京区(中井誠撮影) サッカー日本代表の新監督にボスニア・ヘルツェゴビナ出身のバヒド・ハリルホジッチ氏(62)の就任が12日、正式決定した。13日に来日し、東京都内で記者会見に臨む予定。日本サッカー協会が東京都内で理事会を開き、承認した。
日本代表は昨年のワールドカップ(W杯)ブラジル大会でアルジェリアを初のベスト16に導いた実績を持つハリルホジッチ体制で、2018年W杯ロシア大会の出場を目指す。初采配は27日に大分市の大分銀行ドームで行われる国際親善試合のチュニジア戦で、6月からはW杯アジア2次予選が始まる。
八百長関与疑惑で2月3日にハビエル・アギーレ氏(56)を解任してから、約1カ月にわたった監督人事が決着した。
ハリルホジッチ氏は日本協会の霜田正浩強化担当技術委員長(48)を通じて「世界で結果を出すために、できることは全てやりきる」と決意を示した。
外国人監督は史上8人目。ボスニア出身者は06~07年のイビチャ・オシム氏(73)以来、2人目となる。契約内容は非公表だが、年俸200万ユーロ(約2億5600万円)でW杯を見据えて1年ごとに更新する条件とみられる。
新監督選びの責任者として交渉に当たった霜田委員長は「非常に厳しい監督だが、日本人の持つ質や強みを生かし、日本が世界で戦える武器を増やしてもらえると思う」と手腕に期待した。
≪国際経験豊富な知将 代表再建託す≫
「真面目さ、勤勉さ、手を抜かないで戦うことを要求する監督」-。ハリルホジッチ氏を選んだ理由について、霜田強化担当技術委員長は、日本人の長所を生かせる点を強調した。昨年のW杯ブラジル大会で1次リーグで惨敗、1月のアジア・カップも16強止まりの日本に対して「勝利への執着心を要求してくる」(霜田委員長)と厳格な指揮官であることも高く評価した。
協会が外国人指導者にこだわったのは、クラブや代表で国際舞台の経験が豊富な人材を求めたためだ。ハリルホジッチ氏は選手、監督両方でW杯を経験。コートジボワール代表とアルジェリア代表の2カ国をW杯に導いた経験値や実績は、他の監督候補を上回っていた。
昨年のW杯では、下馬評を覆してアルジェリア代表を史上初の16強に導き、準々決勝は優勝したドイツと接戦を演じた。堅守速攻をベースにする姿勢はアルベルト・ザッケローニ元監督(61)に通じ、全4試合で戦術を柔軟に変える知将ぶりは、アギーレ前監督の方針とも重なる。「継続」を求める協会にとって、「奇術師」の異名を取る62歳は適任者だった。
何より、八百長疑惑で解任にまで至ったアギーレ前監督の失敗は繰り返せない。協会では内部で調査を行う一方、外部機関にも依頼して身辺調査を実施したことを強調した。「他の代表監督のオファーを断ってでも、高いモチベーションで日本代表の新しいプロジェクトをやりたいといってくれた」と霜田委員長。再出発に向けて、期待感を膨らませた。(小川寛太/SANKEI EXPRESS)
≪「呼びたいと思わせるプレーを」 選手意欲≫
日本代表の新監督が決まり、既にシーズンが幕を開けたJリーグの選手たちの意欲も一段と高まりそうだ。G大阪のエースFW宇佐美は「点を取り続けることが一番分かりやすいし、代表に呼びたいと思わせるようなプレーを見せることが必要」と気合を入れ直す。
オシム元監督とも親交の深いハリルホジッチ新監督だけに、U-22(22歳以下)日本代表の手倉森監督は「ポリバレント(複数の役割をこなす)な選手が好まれるのかな」と、オシム氏も重視した能力が求められるとの見解だ。川崎のFW小林は「自分の良さはゴールだけでなく、守備もやれるところ。そこは欠かさずやっていく」と話す。
代表入りにはクラブで好プレーを続けることが大前提になる。浦和のGK西川は「みんなスタートラインは一緒。まずはレッズのために無失点でいきたい」と活躍を誓い、鳥栖のFW豊田は「クラブでやるべきことをやりたい」と自然体だ。
松本の反町監督は「いろんな国で経験を積んだ監督なので、すぐにチームも形になるだろう。規律に厳しい人と言うが、日本は規律に問題は少ない。合っているのではないか」と分析した。
日本代表は、27日に大分銀行ドームでチュニジア代表、31日に東京・味の素スタジアムでウズベキスタン代表との国際親善試合に臨む。来週には代表メンバーを発表し、23日から強化合宿が始まる見通しだ。
4月には2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選の組み合わせ抽選があり、日本はこの予選から登場する。40カ国・地域が5チームずつ8組に分かれ、6月から来年3月にかけて計8試合を行う。各組1位と、2位のうち成績上位4チームの計12チームが最終予選へ進む。(SANKEI EXPRESS)