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東京爆撃、絵空事とは感じない映画に 「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」
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この映画では「意外にも1、2シーンしか絡まなかった」と振り返る筧(かけい)利夫さん(左)と真野恵里菜(まの・えりな)=2015年3月3日、東京都中央区(栗橋隆悦撮影) 人気アニメシリーズ「機動警察パトレイバー」を手がけた押井守(63)が監督と脚本を務め、実写・長編映画化した「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」。昨年4月から全7章に分けて順次劇場公開された短編シリーズに続く物語で、防衛省の全面協力を得て完成させた迫力満点の映像によるオリジナル作品だ。
東京の名所、レインボーブリッジが何者かに爆破され、捜査の結果、数日前に陸上自衛隊の演習場から奪われた最新鋭の戦闘ヘリコプターによるテロと判明。時代遅れの大型ロボット「パトレイバー」で大規模犯罪の抑止に努めてきた警視庁特車二課の後藤田隊長(筧(kakei)利夫)は…。
筧は「脚本を読んでいたとき、東京でテロが起きるなんて絵空事のように思いました。でも、出来上がった作品を見ると、絵空事とは感じない。それがすごいですね。実際、敵の首都爆撃のシーンがあるんですよ。この映画はシビアでハードな内容になりました」と強調。後藤田隊長の部下でパトレイバーを操縦する泉野明(いずみのあきら)を演じた真野恵里菜(まの・えりな、24)は、「女性が力強く描かれているのが印象的でした。女性隊員は先陣を切ってテロリストという見えない敵に立ち向かっていきます。映画を見た方は、今の時代の風潮を感じ取れると思いますよ」と振り返った。
真野に「実生活でも親分肌」と慕われる筧のリーダーぶりが見ものだ。「まずは、目の前にいるスタッフたちが『筧は後藤田隊長そのものだ』と思ってくれないと、きっとお客さんもそう思ってくれないだろうと考えたので、僕は冗談を飛ばしながら、いろいろと演技を試しましたね」。筧は役作りと同時に、いい作品を撮らねば…と張り詰めた空気が漂う撮影現場を和ませようと、潤滑油としての役割を買って出たのだ。
この映画に先立つ短編シリーズの撮影では、若手の監督と積極的に演技の是非について話し合いを重ねたそうで、「彼らも年上の僕に踏み込んでこれない部分もあると思いましたからね。僕はいっぱいしゃべりました。総監督を務めた押井さんは大御所だから、もちろん別の話ですよ」。適当そうに見えて仲間思い、キレ者で、心理戦にかけては天才的な力を発揮する後藤田とどこかオーバーラップする。ちなみに筧のリーダー論は「リーダーになったからといって、周囲のことをあまり考え過ぎないということでしょうね。自分のことだけ考えて、しっかり仕事をやる-という考えが一番ではないでしょうか」というものだ。
一方、若い真野は長い歴史を持つパトレイバーの実写版にどう臨んだのだろう。「アニメで描かれた『泉野明(いずみのあ)』がどんな子なのかという情報をあえて遮断しました。出演が決まった後も、まったくアニメを見ずに撮影に臨みました。アニメを見てしまうと、野明(のあ)のイメージが頭の中を駆け巡って、自分の演技が縛られてしまい、自分らしさが出なくなってしまうと考えたからです。意外と明(あきら)というキャラクターは私に近いんです。ゲーム好きだったり、負けず嫌いだったり…。だから明を演じようというよりも、私は明として生きようと思って取り組んだ感じです」。5月1日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:栗橋隆悦/SANKE I EXPRESS)
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