【野口裕之の軍事情勢】五星紅旗を代紋にする国営極道=中国共産党
更新《9号文件》《七不講》に新味はない。中国の正体を知る人なら想像の範囲内。公然の秘密を「機密扱い」する辺りに、共産党の焦りが透ける。
習氏が14年、国内治安強化に向け新設した《国家安全委員会》の初会合冒頭での重要講話《総体的国家安全観=11の安全》にも習氏の脂汗を感じる。11項目の筆頭は《政治の安全》で以下(2)国土(3)軍事(4)経済(5)文化(6)社会(7)科学技術(8)生態(9)資源(10)核(11)情報-の安全と続く。《政治》を含め、ほとんどが「国内の安全」に関係。国内暴動頻発や党内抗争におびえる共産党の小心を物語る。重い財政負担を我慢して、150万人もの武装警察官を養う理由がここに在る。
領空に近い「管轄空域」
中国の国内治安はわが国にも影響する。一つは、13年の東シナ海に続く南シナ海における“防衛識別圏”の設定である。外国との緊張状態を創り出し、人民の不満を外にそらす常套手段の実行は当然として、他の意義は後述するが、一石何鳥もの効果を生む。
