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【野口裕之の軍事情勢】五星紅旗を代紋にする国営極道=中国共産党  (3/7ページ)

2015.5.18 11:30

今年3月、パラオ・コロール島南西沖の海中に沈む旧日本海軍の給油艦に結び付けられていた中国国旗「五星紅旗」。単なる悪戯ではすまされない暗示的な“事件”であった=2015年(共同)

今年3月、パラオ・コロール島南西沖の海中に沈む旧日本海軍の給油艦に結び付けられていた中国国旗「五星紅旗」。単なる悪戯ではすまされない暗示的な“事件”であった=2015年(共同)【拡大】

 《9号文件》《七不講》に新味はない。中国の正体を知る人なら想像の範囲内。公然の秘密を「機密扱い」する辺りに、共産党の焦りが透ける。

 習氏が14年、国内治安強化に向け新設した《国家安全委員会》の初会合冒頭での重要講話《総体的国家安全観=11の安全》にも習氏の脂汗を感じる。11項目の筆頭は《政治の安全》で以下(2)国土(3)軍事(4)経済(5)文化(6)社会(7)科学技術(8)生態(9)資源(10)核(11)情報-の安全と続く。《政治》を含め、ほとんどが「国内の安全」に関係。国内暴動頻発や党内抗争におびえる共産党の小心を物語る。重い財政負担を我慢して、150万人もの武装警察官を養う理由がここに在る。

 領空に近い「管轄空域」

 中国の国内治安はわが国にも影響する。一つは、13年の東シナ海に続く南シナ海における“防衛識別圏”の設定である。外国との緊張状態を創り出し、人民の不満を外にそらす常套手段の実行は当然として、他の意義は後述するが、一石何鳥もの効果を生む。

中国が東シナ海に設定したのは防衛識別圏ではない

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