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【東京六大学野球】「野球の神様が努力認めた」 東大、連敗94で脱出

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【東京六大学野球】「野球の神様が努力認めた」 東大、連敗94で脱出

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連敗を「94」で止める勝利を決め喜ぶ、東京大ナイン=2015年5月23日、東京都新宿区・神宮球場(北野浩之撮影)  東京六大学野球リーグの東京大学野球部が長い長いトンネルを抜け、連敗を「94」で止める5年ぶりの勝利をつかんだ。神宮球場で23日行われた第7週第1日で、法政大学と対戦した東大は延長十回の末、6-4で競り勝った。東大の勝利は、2010年10月に斎藤佑樹投手(現日本ハム)が先発した早稲田大学戦以来。2引き分けを挟んで続いていたリーグワーストの連敗記録がついにストップした。

 接戦持ち込めば…

 東大は2-4で迎えた八回に楠田の犠飛と山田の三塁打で追い付き、延長戦に突入。4-4の十回に1死二、三塁と攻め立て、楠田と山田の内野ゴロがいずれも野選となり、2点を勝ち越した。八回からリリーフ登板した柴田が無失点で抑えきり、勝利をものにした。

 敗れた法大は優勝の可能性がなくなった。東大は1987年秋から90年秋にかけて続いた70連敗のワースト記録を昨年更新し、その後も負け続けていた。

 「接戦で終盤に持ち込めばいけると思っていた。1つ勝てて本当にうれしい」。入部後、初の白星を手にした主将の飯田は満面の笑みで喜んだ。

 練習積んだ自信

 優勝の可能性を残していた強敵にもひるまなかった。屈辱的な「100連敗」が見え隠れする中でも「勝利が遠い」とは思わなかったという。今季は早大と立教大学をあと一歩まで追い詰めており、「勝ちが見える中で戦ってきた」と、飯田は自信を口にする。指揮を執って5季目で初勝利の浜田監督も「接戦を続けて少しずつ自信は芽生えていた」と、手応えをつかんでいた。

 人知れず練習を積んできた自負もあった。授業のないゴールデンウイーク中は午前9時に全体練習を始め、個人練習が終わるのは午後6時前後。浜田監督は「野球の神様に日ごろの努力を認めてもらった」と、選手をたたえた。

 スタンドで勝利の瞬間を見届けた東大出身の2人目のプロ野球選手となった井手峻(たかし)さん(71)は「よかった。本当によかった。それしか言いようがない。今秋には100になるんじゃないかと心配していた」と手放しで喜んだ。

 「まずは勝ち点」

 他大学が甲子園常連校の出身者をそろえるのに対し、聖光学院(神奈川)や桐朋(東京)といった全国有数の進学校出身者ばかり。最下位を免れたのは1997年秋が最後で、今季もすでに最下位が確定。地力の差は歴然としているが、負けるために戦っているわけではないことを示したかった。

 試合後、派手に喜ぶこともなく粛々と整列を終えた選手たちからは「あした『勝ち点』取るぞ」の声が次々に上がった。「まずは勝ち点。そして秋には最下位脱出を目指す」と浜田監督。勝ち点を獲得すれば、2002年秋以来の快挙となる。(SANKEI EXPRESS

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