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【プロ野球】152キロ強振 「練習の虫」中川、初サヨナラ弾
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サヨナラHRを放った中川大志(中央)を祝福する楽天・藤田一也(左)と嶋基宏(右)=2015年5月31日、宮城県仙台市宮城野区・コボスタ宮城(土谷創造撮影) プロ野球セ・パ交流戦は31日、デーゲーム6試合が行われ、楽天は延長十回に中川がプロ7年目で初のサヨナラ本塁打を放ち、4-3と巨人に競り勝った。また、中日を8-6で制した日本ハムは30勝にリーグ一番乗りした。敗れた中日は今季最多の借金4となった。
広島はオリックスに2-1と逆転勝ちして、同一カード3連勝とした。一方、オリックスは借金が今季最多の15。
力強い弾道が満員のファンで埋まった左翼席に吸い込まれると、楽天ベンチから一斉に選手が飛び出した。同点で迎えた延長十回、楽天の7年目中川が自身初のサヨナラ本塁打。ホームベースにたどり着くと、24歳のヒーローは大久保監督の熱い抱擁で迎えられた。
この回、先頭打者で迎えた中川は、打席に入る前に覚悟を決めていた。「(相手は)先頭打者を出したくないはず。真っすぐに絞って振り負けないようにしよう」。狙い通り、巨人3番手のマシソンが投じた152キロの直球を強振。打席に臨む前の冷静な思考が、会心の一撃を生んだ。
2009年、愛知・桜丘高からドラフト2位で入団。186センチ、92キロの恵まれた体から「将来の中軸候補」と嘱望されながら、過去6年間の1軍での出場は計11試合と芽が出なかった。そんな中川を支えたのが、豊富な練習量だ。スイング軌道を確認するため、毎試合後のティー打撃の練習を欠かさない。
今季は5月に1軍に合流し、早くも3本目の本塁打。ようやく才能が開花しつつある練習の虫に、2軍監督としても苦労を共にした大久保監督は「野球がとにかく大好きな人間。技術がついてきた」と目を細めた。
劇的な一打は、交流戦で巨人を相手に9年ぶりのカード勝ち越しを呼び込んだ。「(巨人に)思い切って臨んでくれたことが自信につながる」と指揮官。劇的な勝利を、チーム浮上の推進力にする。(浅野英介/SANKEI EXPRESS)