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習主席、スー・チー氏と異例会談 「影響力確保」「選挙」 思惑が合致

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習主席、スー・チー氏と異例会談 「影響力確保」「選挙」 思惑が合致

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中国の習近平国家主席(右)との会談に向かうミャンマー最大野党、国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏=2015年6月11日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)  新華社電によると、中国の習近平国家主席は11日、訪中しているミャンマーの最大野党、国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏と北京の人民大会堂で会談した。中国の指導者が、2010年に自宅軟禁を解かれてからスー・チー氏と会談するのは初めて。外国の野党リーダーと個別に会談するのも異例だ。

 中国側は、今秋のミャンマーの国政選挙でNLDの躍進が予想されていることから、スー・チー氏との関係を重視。野党リーダーであるスー・チー氏を厚遇することで、中国依存からの脱却を図るテイン・セイン政権に圧力をかける狙いもある。

 スー・チー氏も、中国の指導者との会談により、国内外に政治力をアピールする狙いがあるとみられる。

 中国国営中央テレビによると、習氏は会談で「訪問を通じて中国と共産党をより深く理解してほしい」と述べた。スー・チー氏も「NLDは中国との友好を重視している」と応じた。

 中国はミャンマーの旧軍事政権と緊密な関係だったが、11年の民政移管後に発足したテイン・セイン政権下で、中国が投資するダム建設が停止に追い込まれるなどしている。

 スー・チー氏は14日まで中国に滞在予定で、北京のほか上海、雲南省昆明を訪問する予定。(共同/SANKEI EXPRESS

 ≪「影響力確保」「選挙」 思惑が合致≫

 アウン・サン・スー・チー氏が11日、北京で習近平国家主席と会談した。民主抑圧を続ける共産党の招きに応じたスー・チー氏の訪問は、ミャンマー民主化のリーダーであるスー・チー氏の「現実路線」を浮き彫りにする。中国の人権活動家は「(党は)招請で中国の開放的なイメージを演出しようとしている」と懸念を示した。

 中国の「別のチャンネル」

 かつてミャンマー軍事政権は中国と緊密な関係を構築していたが、2011年の民政移管で発足したテイン・セイン政権により対外関係は大きく変化した。

 外交・経済両面で中国依存からの脱却を図り、欧米や日本に接近するなど、両国はぎくしゃくした関係が続いている。

 だが、中国にとってミャンマーは現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の重要ルートの一つであり、両国を結ぶ石油・天然ガスのパイプラインも建設。影響力低下を食い止めたい中国は、ミャンマー国民の人気が高いスー・チー氏への働き掛けを強めていた。

 スー・チー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)はミャンマーで今年秋に実施される国政選挙で躍進が予想されており、中国側はNLDが次期政権に参画することもにらみ、現政権とは「別のチャンネル」(中国紙)を築く狙いもある。

 ノーベル賞の威光薄れ

 スー・チー氏にも12年に下院議員となって以降、対中姿勢に変化がみられる。「隣国とは、良好な関係を築かなければならない」と主張し、民主化問題などでの中国批判を避け、駐ミャンマー中国大使と会談を重ねてきた。

 軍政弾圧下で民主主義の理想を訴え続け、1991年にノーベル平和賞を受賞した雄姿も薄れつつある。ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャが周辺国に大量密航し、ロヒンギャ迫害に国際社会から懸念の声が上がっているが、「政府が取り組むべき問題」と口を閉ざす。

 中国の人権活動家らは習指導部との会談で、ノーベル平和賞受賞者で、投獄されている民主活動家の劉暁波氏やチベット問題などを提起することを期待。ただ、NLD報道官は、今回の訪中について「あくまで党同士の親善が目的」と強調しており、積極的に取り上げた可能性は低い。(共同/SANKEI EXPRESS

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