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【大学野球】早大3年ぶり日本一 屈指の右腕を攻略
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流通経大を下して3年ぶり5度目の優勝を決め、喜ぶ早大ナイン=2015年6月14日、東京都新宿区・神宮球場(共同) 第64回全日本大学野球選手権最終日は14日、神宮球場で決勝が行われ、早大(東京六大学)が8-5で流通経大(東京新大学)を下して3年ぶり5度目の優勝を決めた。29年ぶりに決勝に進んだ流通経大は、初の大学日本一を逃した。
苦しい展開が続いた早大は1-3の七回、茂木(もぎ)栄五郎の適時打、石井一成(かずなり)の2点右前打などで一挙5点を挙げて逆転した。1点差に迫られた後の九回は石井の2点本塁打で突き放した。
今大会13打数8安打で打率6割1分5厘の茂木が最高殊勲選手と首位打者に輝いた。最優秀投手には4強入りした神奈川大(神奈川)で2勝を挙げた浜口遥大(はるひろ)が選ばれた。
高橋広監督が育て上げた早大打線は、しぶとかった。流通経大・生田目(なばため)翼の曲がりの大きい変化球に苦しんだが、2点を追う七回に捉えた。2死一、二塁から茂木の右前打で1点を返し、四球で満塁。続く石井の打球は一塁手の前で不規則に跳ねて右前に抜ける2点適時打に。この回計5点で逆転し、流れを引き寄せた。
序盤に今大会初めてリードを許したが、監督は「連投の疲れが出てくる。低めの変化球は振るな」と指示を徹底。狙い通り球が浮いたところで屈指の右腕を攻略した。茂木が「チャンスは絶対に来ると思っていた」と言い、この日4打点の石井も「自信を持って打席に立てた」と語る。4試合中3試合で2桁安打を放ち、準決勝で大会記録に並ぶ20安打と爆発したチームに焦りはなかった。
悲願の優勝を決め、教え子たちの手で3度宙を舞うと、普段は感情を顔に出さない監督の目に涙が光った。徳島・鳴門工高(現鳴門渦潮高)を30年以上率いて、2002年選抜大会準優勝が最高成績。「日本一になりたかった」という名将は、届かなかった全国の頂点に就任わずか1年目でたどり着いた。(SANKEI EXPRESS)