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【iPhoneでアートする】(2) 雨粒と気泡に景色閉じ込める

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【iPhoneでアートする】(2) 雨粒と気泡に景色閉じ込める

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初夏の札幌・大通公園が気泡に映える。雨粒代わりに、気泡入りのアクリル板を使ってみた=2015年6月6日、北海道札幌市中央区(野口隆史さん撮影、iPhone5s使用)  いよいよ梅雨本番。いくら気軽なiPhoneだからといっても、じめじめして時には強く降る雨の中での撮影は気分が乗りにくい。私が住んでいる北海道には幸いなことに本州のような梅雨はないが、当然ながら雨は降る。そんな時には「残念な雨」ではなく「恵みの雨」と気持ちと視点を入れ替えてちょっと変わった作品を手がけることにしている。

 名付けて「雨粒アート」。

 といっても大げさな仕掛けがあるわけでもなく、単に雨粒を近接撮影するだけのことなのだが、その文様と粒の中に写り込んでいる風景や色は、季節、角度や場所、時間帯によって変わってくる。

 だから車のフロントガラスや家の窓に雨粒が奇麗な文様を描いているとうれしくなってしまうのだ。どちらも室内でシャッターを切ることができるので、雨は気にしなくてもいい。

 あるとき、雨粒以外で似たような撮影ができないだろうかと考えていたら、空気の泡が入ったガラス石や炭酸の泡のついたペットボトルが目についたので、試しにズームを最大限アップにしてマクロ的に撮影してみると、これまた面白い雰囲気の写真が撮れた。気泡の入ったアクリル板でも試してみると、雨粒アートのような写真にもなった。

 ただし雨粒の場合、被写体は天地が反転して写るが、気泡の場合にはそうならないため、写真の印象はだいぶ違って来る。

 私が思うには、やはり自然の成り行きまかせの、雨粒の方が断然に面白い。なにしろ二度と同じものは撮影ができないのだから。

 ≪文様に写り込むもう一つの世界≫

 今回からちょっとした工夫でワンランク上の写真が撮れるようになるスマホ写真講座を始めます。

 みなさんは写真を撮影する際に「グリッド」を活用しているでしょうか?

 撮影する時にモニター画面上に表示される、ヨコ2本、タテ2本の格子状の線のことです=写真

 写真の出来栄えには構図が大きくかかわってきますが、グリッドはこの構図をどうまとめるかに役立つ線なのです。

 黄金比(おうごんひ)という言葉を聞いたことがありますか。線分を一点で分けるとき、長い部分と短い部分との比が、全体と長い部分との比に等しいような比率で、1対1.6です。人間にとって最も安定して美しい比率とされ、美術的要素の一つとされます。

 グリッドは3分割になっているので、グリッドが交差する点よりやや内側に一番表現したい被写体を合わせるようにして撮影するだけで、見栄えが以前と比べて違ってきます。ぜひ試してみてください。

 【グリッドの表示方法】

 iPhoneの「設定」アイコンを開くと「写真とカメラ」というアイコンが出てきます。さらにそのアイコンを開くとカメラと書かれた下部に「グリッド」をオン・オフするスライド式のスイッチがあります。何も表示されていなければ全体が白く表示されています。その場合は、そのボタンを右にスライドさせてください。左側が緑色になれば、カメラ撮影の際にモニター上グリッドが表示されます。(写真・文:写真家 野口隆史(たかし)/SANKEI EXPRESS

 ■のぐち・たかし 写真家。1960年、名古屋市生まれ。札幌市在住。元朝日新聞社写真記者。現在は取材・撮影プロダクション「ホロト・プレス」代表として、特約で国内外の通信社で報道にかかわるほか、さまざまな媒体でアートシーンからドキュメンタリーの撮影を行っている。ネイチャーズ・ベストフォトグラフィー・ジャパン「スミソニアン特別賞」受賞。現在はスマホ写真家としても活動中。

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