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中南米系侮辱 ミスコン窮地 米不動産王舌禍、放送中止やボイコット
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2013年のミスUSAに選ばれたエリン・ブラディさん(右)と壇上で並ぶドナルド・トランプ氏。その発言で中南米系女性を敵に回し、ミスUSAは存続の危機を迎えている=2013年6月16日、米ネバダ州ラスベガス(AP) 米不動産王のドナルド・トランプ氏(69)が、2016年大統領選の共和党候補を決める予備選への出馬を表明した際、メキシコ人に対する“暴言”を吐いたことが波紋を広げている。大統領選の鍵を握るヒスパニック(中南米系)住民向けテレビ局がこれに激怒し、トランプ氏が事実上主催するミスコンテスト「ミスUSA」の放送を中止すると発表。番組の司会を務める予定だったプエルトリコ出身の女優も抗議の降板を表明した。大統領選への影響はもとより、中南米系の美女たちを敵に回せば、ミスコンの存続自体も危うくなる。
「メキシコ人は米国に多くの問題をもたらす。彼らは麻薬や犯罪を持ち込み、レイプ魔でもある。メキシコから不法移民が来ないよう、国境沿いに万里の長城を築く」
暴言は、トランプ氏がニューヨークに自ら所有するトランプ・タワーで16日に行った出馬表明演説で飛び出した。
米CNNテレビ(電子版)などによると、中南米系住民向け番組を放送している米最大のスペイン語テレビ局「ユニビジョン」が、この発言に猛反発。局を代表するメキシコ系のニュースキャスター、ホルヘ・ラモス氏(57)は21日、ブログで「あなたの(会社の)利益はメキシコ人が働いて稼いだものだ。トランプ帝国はメキシコ人の従業員がいなければ生き残れない」と非難した。
さらにユニビジョンは25日、「トランプ氏のメキシコ移民に対する侮辱発言に抗議する」とし、7月12日に予定していた「ミスUSA」大会の放送を中止すると発表した。大会は「ミス・ユニバース」世界大会の米国代表選考会を兼ねたもので、両大会とも、トランプ氏と米3大ネットワークのNBCの親会社が共同出資する「ミス・ユニバース機構(MUO)」が主催している。
ユニビジョンは今年1月に両大会を世界のスペイン語圏の国々に放送する5年契約を結んでいた。放映権料は1500万ドル(約18億5000万円)に上るが、この契約も破棄する構えだ。
プエルトリコ出身の女優のロゼリン・サンチェスさん(42)に加え、男優のクリスチャン・デラ・フェンテさん(41)も司会降板を表明。中南米系の芸能人らが抗議の声を上げ、反発が広がっている。
NBCは予定通り全米向けに放送するが、「トランプ氏の発言はNBCの考えを代弁するものではありません」と、あえて距離を置く声明を出した。
さすがにまずいと思ったのか、トランプ氏は25日、FOXニュースに対し「私はメキシコとメキシコ人が大好きだ」と弁解。一方で、ユニビジョンを契約違反で提訴すると表明した。
大統領選で鍵を握るとされているのが、2012年時点で全米の人口の約17%を占め、急増している中南米系住民だ。本来は民主党の支持基盤だが、トランプ氏と指名を争う共和党の有力候補のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)は出馬演説でスペイン語を交え、「意味のある移民制度改革に取り組む」と表明するなど、中南米系住民の取り込みに躍起となっている。
トランプ氏が共和党候補の指名を勝ち取る可能性は低く、今回の暴言が予備選の大勢に影響を及ぼすことはなさそう。ただ、ミス・ユニバースはベネズエラなど中南米の代表が席巻しており、彼女たちを怒らせるとタダでは済まない。(SANKEI EXPRESS)