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【大相撲】鶴竜、無傷の6連勝「目の前の相手に集中」
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鶴竜(かくりゅう、右)が寄り切りで碧山(あおいやま)を下す=2015年7月17日、愛知県名古屋市中区の愛知県体育館(山田喜貴撮影) 大相撲名古屋場所6日目は17日、愛知県体育館で行われ、上位陣は安泰。横綱白鵬は小結妙義龍(みょうぎりゅう)を、休場明けの横綱鶴竜(かくりゅう)は碧山(あおいやま)をともに寄り切って全勝を守った。新大関照ノ富士も佐田の海をすくい投げで下し6連勝とした。平幕の鏡桜(かがみおう)も含め勝ちっ放しは4人で変わらず。
休場明けの鶴竜が元気だ。初日から無傷の6連勝。「休んでいた間にやってきたことが良かったのかな」。本人も手応えをつかみつつあり、表情は明るい。
碧山との突っ張り合いで、低い姿勢を保ったのが奏功。懐に飛び込み、もろ差しでつかまえた。得意の形になれば、36キロの体重差も何のその。相手の左巻き替えに乗じて、腰を下ろしたまますり足で前進。一気に寄り切った。
巧みな巻き替えで二本差しとし、流れをつかむ相撲が目立つ。現役時代に得意としてきた師匠の井筒親方(元関脇逆鉾(さかほこ))が鶴竜へ継承した技。井筒親方は「もろ差しを身につけさせて良かった。芸が身を助けている。苦しい時に生きる道だから」と語る。
休場した2場所中は横綱の心も鍛えてくれた。「(取組を)テレビで見ると、自分は何をやっているんだろう、とつらかった。でも、ちゃんと見ようと。できるだけ気持ちが土俵から離れないように」。再び本場所で相撲が取れるようになった今は「苦しかった時間を思い出してやらなきゃ」と自らを奮い立たせる。
全勝は鶴竜を含め、4人。「特に意識せず、目の前の相手に集中する」と冷静に語る。存在感を取り戻す戦いは始まったばかりだ。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)