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【大相撲】照ノ富士◯ 「冷や汗」一転、豪快な投げ
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照ノ富士(右)が上手投げで碧山(あおいやま)を破る=2015年7月12日、愛知県名古屋市中区・愛知県体育館(山田喜貴撮影) 大相撲名古屋場所は12日、愛知県体育館で初日を迎え、3場所ぶりに3横綱がそろい、白星発進した。35度目の優勝を狙う白鵬は新小結宝富士を寄り切った。2場所連続休場明けの鶴竜は関脇逸ノ城(いちのじょう)を押し出し、10場所ぶりの賜杯を目指す日馬富士は小結妙義龍(みょうぎりゅう)に上手投げで辛勝した。
2連覇が懸かる新大関照ノ富士は碧山(あおいやま)を上手投げで下し、大関稀勢の里(きせのさと)は栃ノ心(とちのしん)に逆転の上手出し投げで勝った。大関豪栄道は高安に寄り倒され、かど番の大関琴奨菊は佐田の海に上手出し投げで敗れた。関脇栃煌山(とちおうざん)は勢を押し出した。
注目の照ノ富士は冷や汗をかく大関デビュー戦になった。立ち遅れて碧山に押し込まれ、両足が滑って体勢が崩れた。危うい展開に「土俵が滑るのが気になっていた。焦った」と素直に認める。ただ、ここからが平成生まれ初の大関の見せ場になった。
左四つで右上手を取ると「もう、こうなれば大丈夫」と余裕十分。まわしを引けば絶対の自信を誇り、193キロの相手を豪快な上手投げで転がした。「ばたばたしたけどね。良かったね」と一息ついた。
23歳の若く勢いに乗る新大関は特有の緊張感に関する質問を嫌い、もう一つ上の最高位に就くことだけを考えて突っ走る。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「稽古は何番やっても足りない。横綱になって一人前」と精進を促す。変わらない猛稽古を続ける照ノ富士は「正しい道というのは普通に頑張るということ。自分は間違ったことはしていないと思う」と己を信じている。
審判部長を務める師匠に返還式で渡した賜杯の重みを問われても「別に今はそんなに考えていない」と目の前の一番に集中する。夢の横綱への第一歩は再び賜杯を手にすることだ。(SANKEI EXPRESS)