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2度の古里喪失 心に届く静けさ 「小森はるか+瀬尾夏美 あたらしい地面/地底のうたを聴く」 椹木野衣

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2度の古里喪失 心に届く静けさ 「小森はるか+瀬尾夏美 あたらしい地面/地底のうたを聴く」 椹木野衣

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 明と暗の対比

 そのような事態に直面する人たちの表情と言葉を、小森と瀬尾は、長期にわたり聞き取った会話や、変わりゆく土地のスケッチを添えて、ひとつの明るい部屋と、もうひとつの暗い部屋という対比のなかで見せている。

 もしかすると、この2つの部屋の対比は、地上と地中に当たるのかもしれない。タイトルの「あたらしい地面」は、嵩上げされた新たな古里を、「地底のうたを聴く」は、地中に沈むかつての古里をこうして、二重に過去のなかに沈む古里の記憶のなかから、わずかに滲(し)み出し、じわじわとこぼれ出してくる「うた」へと、ふたりは耳を傾ける。やはり近々、土のなかに沈む、古くから何かあれば人々が集ったという素性の知れぬ石倉に、いま皆が、歌と踊りで別れを告げようとしているように。(美術批評家、多摩美術大学教授 椹木野衣(さわらぎ・のい)/SANKEI EXPRESS

このニュースのフォト

  • 瀬尾夏美「あたらしい地面」紙、鉛筆、ボールペン(提供写真)
  • 映像(右)とスライド(長塚秀人さん撮影)。(C)Photo_by_Hideto_Nagatsuka
  • スライドで映し出される言葉=2015年7月21日(原圭介撮影)
  • 展示風景(長塚秀人さん撮影、提供写真)

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