人民元、連日切り下げ 世界市場に動揺
更新アジア軒並み安
「中国の景気は予想以上に減速しているのではないか」(日本の証券アナリスト)。中国人民銀行が12日午前、元の切り下げに踏み切ると、日経平均株価は下げ足を速めた。新興国の対中輸出が細るとの懸念から、他のアジア市場でも株価が軒並み下落した。
中国の通貨当局はこれまで、元高を求める米国などに配慮し、元安にならないよう相場を誘導してきた。しかし、経済減速により市場では元売り圧力が強まり、輸出産業の業績も悪化してきたため、元を切り下げて輸出をてこ入れする方向に政策を転換した。
7月の工業生産では自動車の1日当たり生産量が前年同月比11.2%減と大きく落ち込んだ。元の切り下げはこうした輸出産業の競争力強化が目的だが、海外市場では景気停滞というマイナスイメージがより強く意識された。

