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【国際政治経済学入門】中途半端な元安 株価再暴落を招く

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【国際政治経済学入門】中途半端な元安 株価再暴落を招く

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 2008年9月のリーマンショック後、中国は元相場を一時的にドル相場に対して固定して輸出増強に努めたが、10年後半から、なだらかな元高基調を保ってきた。元高トレンドと並行して輸出の伸び率が下がっている。世界景気の停滞も響いているわけで、小幅な元安で中国が輸出を大幅に増やせる情勢ではない。

 しかも今回の小幅元切り下げは、元を国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨として認定させるうえでは障害にならないことを、ほかならぬIMFが言明し北京を安堵(あんど)させた。

 日本にはチャンス

 元高水準を是正しないとなると、中国経済はデフレ圧力から逃れることはできそうにない。それは世界にとってはマイナス面ばかりではない。

 グラフは国際商品市況と中国の鉄道貨物輸送量の推移を対比させている。輸送量は、「北京当局のファンタジー」とまで多くの専門家から評される国内総生産(GDP)よりも信頼度がかなり高い経済指標である。一目瞭然、景気は昨年はじめから下降局面に入り、それに連動する形で鉄鉱石、天然ゴム相場が下がり、その後を追うように原油相場が急落した。貴金属、穀物市況のトレンドも共通する。中国需要恐るべしである。

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  • 中国・上海市の証券会社の株価モニターの前に突っ伏す投資家ら=2015年8月24日(ロイター)

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