火星有人探査の実施には、宇宙船の新たな開発も不可欠だ。ＮＡＳＡは、地球と火星の往復に約１１００日かかると推測。有人探査となると、これまで火星に着陸したロボット宇宙船の３０倍以上大きい宇宙船が必要となる。地球との通信速度も数百倍高速化させる必要がある。

　ＮＡＳＡがとりわけ重視しているのが、火星での飛行士たちの住居だ。リポートは「有人探査では（飛行士は）長期間、地球から離れるので、（火星での）居住システムは安全で健康的なもので、継続的な探査を実現するため、信頼性の高いものでなければならない」と、わざわざ明記した。

　ＮＡＳＡでは火星長期探査に向け、ハワイのマウナロア火山の北側斜面に設置した火星模擬体験施設で４度目の長期滞在実験を開始。ボランティアの男女６人に１年間、外の世界と隔絶した環境で生活をしてもらい、その間の心身のさまざまなデータを集めて、分析作業なども進めている。（ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）