北欧など飲み頃 温暖化でワイン産地北上
更新地球温暖化で欧州のワインの産地が北上している。寒冷な気候でワイン造りに不向きとされてきた北欧スウェーデンでブドウの栽培が拡大、山国スイスでも年々品質が向上している。一方、伝統的な産地である南欧スペインやイタリアは品質低下や干魃(かんばつ)に苦しめられている。
酸味と糖のバランス最適
なだらかな丘に一面のブドウ畑が広がる。9月に訪れたスウェーデン南部マルメ近郊。「温暖化は世界的にはうれしい話ではないが、スウェーデンのワイン農家にとっては朗報だ」。畑を所有する男性、ホーキャン・ハンソンさん(63)が白い歯を見せた。
日本の9月に比べると肌寒く風も強いが、ハンソンさんは「数十年前ならこの時期は枯れ葉が落ち始めるころだったが、今はこんなに緑が広がっている。温暖化の傾向は間違いない」と話す。
