【試乗インプレ】乗用車からの乗り換え検討中ユーザー必見! トヨタ・86の「使える度」(後編)
更新運転席でドライビングポジションを合わせると、後席膝下は拳一つ半程度の余裕しかなく、大人が座るのは実質無理。左側は前席を前にずらせば、膝下にはそこそこの余裕が生まれるが、後頭部がリアウインドーすれすれであり、身長175センチ以上の大柄な人が乗り続けるのはやはり難しい。
子供か、小柄な人専用と割り切る必要があるし、そうだとしても長時間は酷だ。
後席には左右ともチャイルドシートを取り付けるISOFIXの金具が内蔵されているから、乳幼児を乗せるにはちょうどいいのでは…と思いたいところだが、実際問題として、親が横に並んで座らざるを得ない場面は多いだろうから、これも非常用の使い方となるかもしれない。
後席を諦めれば結構使える荷室
クルーズコントロールは速度設定のみの昔ながらのタイプ。前車追従機能などは備えていない。よく流れている自動車専用道路でしか使えないが、クルマの性格から考えてついてなくてもいいくらいでこれは減点ポイントにはならない。
ラゲッジの蓋はリアガラスごと開くハッチバックでなく、普通のトランクリッドなので、開口部は広くない。スポーツカーとしての剛性を確保するためのデザインだろうから、このくらいの使い勝手の悪さは我慢しよう。
ただ、荷室は広くも高くもない代わりに、変な出っ張りがなくスクエアな形状なので収納はしやすいと思う。後席を倒せば奥行きもそこそこ確保できるので、2人乗りなら長さのあるものも積めそうだ。
乗用車からの乗り換えは現実的か
乗り心地は乗用車並み、静粛性も高く、燃費もまずまず。もちろんスポーツ走行は大得意で、乗り手を選ばず、すこぶる楽しい。走りの点から見れば悪路への対応以外はほぼオールマイティーである。乗用車からの乗り換えを検討するユーザーを囲い込もうというトヨタの戦略がうかがえる。




































