オーナー自ら操るという選択肢 幽霊のように舞うロールス・ロイス「ゴースト」
確かに他と比べれば大きいが…
途中からショーファー気分に浸りながら後席の小島記者に乗り心地を訪ねると、「いやー、素晴らしいね。気持ちよすぎて眠っちゃいそう」とご満悦の様子。しばらくすると、静寂な車内の後方から本当に寝息が聞こえてきた。ショーファーとして快適性を意識しながら運転していた筆者としては、たまらなく嬉しい瞬間だ。これは筆者の運転技術がもたらした結果ではなく、ロールス・ロイスだから快眠を誘えるのだ。
ロールス・ロイスを所有するオーナーの大半は、ビジネスで成功したような人たちだ。そんな彼らが愛用するゴーストはエントリーモデルとはいえ、他メーカーの高級セダンと比べると圧倒的に大きい。あまりピンとこないかもしれないが、ロールス・ロイスと肩を並べる超高級車、メルセデス・ベンツの「マイバッハ」とほぼ同じサイズである(ちなみに全長5465ミリ、全幅1915ミリ、全高1495ミリ)。地下駐車場では角を曲がるたびに神経を使ったし、ほとんどの機械式パーキングは全長・全幅でアウトだ。ガソリンスタンドに洗車で立ち寄ったときは、「この大きさだと止めるスペースが限られるので、混み合っているときは今後お断りさせていただくことがあります」とくぎを刺された。にもかかわらず、いったんサイズに慣れてしまえば、先述の通りほとんどの場面において運転に苦労することもなかった。「うちら庶民だからいいじゃん」と向かった某ファミリーレストランの駐車場では、ぎりぎり枠内に収めることもできた。富裕層がファミレスに行くかはさておき、ゴーストは後ろに乗っても運転しても非常に収まりの良い、扱いやすい高級サルーンなのだ。
優美かつダイナミックな佇まいと、濃密という意味でのリッチ感に満ちた最上級クラスの快適性とエレガントな設え。そんなラグジュアリー空間に身を置いて、ショーファードリブンによる至極の時を過ごしながら目的地へ向かう喜びは格別だ。ときにはオーナー自らハンドルを握って-。そんな贅沢な選択肢があるのがゴーストだ。
次回は4人乗りコンバーチブル「ドーン」を紹介する。お楽しみに。
■ロールス・ロイス ゴースト(ブラック・バッジ)
全長×全幅×全高:5399×1948×1550ミリ
ホイールベース:3295ミリ
車両重量:2490キロ
エンジン:ターボチャージャー付きV型12気筒
総排気量:6.6リットル
最高出力:450kW(612ps)/5250rpm
最大トルク:840Nm/1650~5000rpm
トランスミッション:8速AT
タイヤ:(前)255/40R21(後)285/35R21
駆動方式:後輪駆動
トランク容量:490リットル
定員:5名
最高速度:250キロ/h(リミッター制御)
ハンドル:右
燃費:6.01キロ/L(筆者が満タン法で計測)
車両本体価格:3890万円