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「クール・ジャパン」戦略に新局面 食や観光に裾野拡大

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「クール・ジャパン」戦略に新局面 食や観光に裾野拡大

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2012年度の主なクール・ジャパン戦略推進事業  日本のアニメや音楽、ファッションなどを世界に広め、産業振興につなげる政府の「クール・ジャパン」戦略が新たな局面を迎えている。

 コンテンツ産業の海外展開にとどまらず、食や観光など関連産業の伸長につなげようという動きが本格化してきた。安倍晋三政権も2013年度に創設する官民ファンドの規模を拡大する方針を打ち出しており、「オール・ジャパン」の取り組みに期待が高まっている。

 シンガポールの目抜き通りにある大型商業施設「プラザ・シンガプーラ」で1月18日、岡山県倉敷市の児島地区で生産されるデニムのPRイベントが開かれた。10ブランドを披露するショーには現地の芸術系専門学校生も協力。小売業者など100人が詰めかけ、60席の定員を上回る盛況ぶりだった。

 会場になったのは、東京の渋谷や原宿で人気のファッション、化粧、雑貨ブランドを集めた店舗「JRunway(ジェイランウェイ)」。ファッションブランドの海外進出を支援するアパレルウェブ(東京都中央区)などが倉敷側から委託を受け、約340平方メートルの店舗内でイベントを仕掛けた。

 アパレルウェブが企画したジェイランウェイは12年10月29日にオープン。海外事業本部マネージャーの黒沢英樹氏は「日本のブランドの認知度は低いが、最先端の感覚を持つ日本の消費者にもまれてきたブランドは通用する」と手応えを話す。

 経済産業省のクール・ジャパン戦略推進事業の一つとして同社はシンガポールで10~11年に期間限定店を営業。売上高が想定を約3割上回ったうえ、東南アジアの地理的中心という好条件も踏まえ本格進出を決めた。

 ジェイランウェイには奇抜なイメージの原宿系だけでなく、シンプルなファッションもそろう。知名度を高めるためアジアの人気ブロガーをイベントに招待したり、フェイスブックなど交流サイト(SNS)も活用。地道な取り組みが奏功し、取り扱いブランドは40以上に増え、6月の達成を計画した月2000万円の売上高を前倒しで実現できる勢いだ。周辺国への出店を加速させ、5年以内に東南アジアで約50億円の売上高を目指す。

 500億円出資計画

 経産省によると11年にファッション、コンテンツ、観光のクール・ジャパン事業3分野で取り込んだ海外需要は2兆3000億円。関連産業の裾野を広げる取り組みも始まり、日本の「ご当地グルメ」をタイで広めるため1月中旬に実施されたテスト販売では、博多のもつ鍋などが並んだ。企画に加わった飲食店インターネット検索サービス、ぐるなびの担当者は「日本食への関心は高かった」と話す。

 経産省は「アニメなどで日本ファンを増やし、日本食の消費や日本への観光旅行を促す好循環を作りたい」とし、20年に3分野で8兆~11兆円、食を合わせて17兆円へ拡大をもくろむ。

 その柱となるのが、13年度に創設する運営期間約20年の官民ファンド「クール・ジャパンファンド(仮称)」だ。関連商品を集めた商業施設など大規模事業を計画する企業連合に長期資金を供給し、海外進出を支援する。政府は13年度当初予算案で産業投資特別会計から500億円の出資を計画。民主党政権下では約400億円が想定されていたが、異例の増額となった。

 ただ、企業側からは「世界観の異なるブランドが並んでも効果がなく、組み合わせが大事」との指摘もある。日本のブランドが分野横断の相乗効果を発揮できるのか、真価が問われるのはこれからだ。(会田聡)

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