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自動車の関税撤廃で攻勢 TPP交渉、日本7月参加へ
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日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加が19日、大筋で固まった。先行して交渉に参加する11カ国が同日、インドネシアのスラバヤで閣僚会合を開き、日本の参加承認で最終調整に入った。議会への通知後90日かかる米国の承認手続きを経て、日本は早ければ7月から交渉をスタートさせる。
参加国はマレーシアで7月25日ごろに交渉会合を開く方向で調整しており、日本にとっては最初の舞台となる見通しだ。
今回の閣僚会合は、今月20~21日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合にあわせて開かれた。
19日に現地入りした甘利明経済再生担当相兼TPP担当相が、支持を正式表明していないオーストラリアやニュージーランド、カナダの担当閣僚と個別に会談。最終的な了承の取り付けに動いた。
日本の交渉参加には11カ国全ての承認が必要となる。12日には、交渉参加の鍵を握る米国との間で米側が日本車にかける関税の扱いで日本が譲歩することなどを条件に事前協議で合意。豪州、ニュージーランド、カナダ、ペルーの4カ国の承認を得られるかどうかが焦点だった。
とりわけカナダは日本の参加に対する態度表明を保留していたが、土壇場で支持に回る公算が大きいとみられている。閣僚会合で日本の参加に歓迎の意を表明すれば、米政府は近く議会に通知する手続きに入る見込みだ。
日本が加わることでTPPの経済規模は、世界全体の3割強から4割まで膨らみ、巨大自由貿易圏づくりに弾みがつく。
今後の焦点は日本がどこまでコメや砂糖など農産物の関税を維持し、参加国が輸入車にかける関税撤廃に切り込めるかだ。 日本が守勢に回るのは農業分野だ。関税がなくなれば豪州や米国の広大な農地でつくられた安い農産物が流入し、国内農業が打撃を受ける恐れがある。政府はコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の重要5分野の関税維持を主張する方針だ。
ただ、日本の交渉参加に向けた事前協議で、農業国の豪州やニュージーランドが「すべての品目を交渉のテーブルに載せる」と、日本が関税撤廃の例外を設けることに難色を示した経緯がある。
日本のコメなど重要5分野は関税上487品目と分類され、工業品と合わせた全品目の5.4%を占める。このうち「半分以上で市場開放を迫られる」(通商筋)との見方もあり、関税死守のハードルは高い。
一方、日本が攻勢をかけるのは自動車の関税撤廃だ。日本は輸入車に関税をかけていないが、日本以外の交渉参加国は米国が乗用車に2.5%、豪州が5%、カナダが6.1%、ベトナムが78%と高関税を維持しており、日本は参加11カ国に対し自動車で年間約2千億円の関税を払っている。
日米の事前協議で米国の関税を当分残すことで合意したが、日本は他の参加国には撤廃を求める構え。これに対し、豪州やカナダは米国と同様の対応を日本に求めている。
交渉で弱みのある分野を抱えるのは日本だけではない。米国は過去の自由貿易協定(FTA)で砂糖を例外としているほか、カナダは乳製品の自由化には慎重だ。日本には利害の一致する参加国と共闘して交渉を進める戦略が必要になる。(スラバヤ 会田聡)
賛成 慎重
自動車の関税撤廃 日本 米国、豪州、カナダ、ベトナム
農産品の関税撤廃
(コメ、小麦、牛肉) 米国、カナダ、 日本
ニュージーランド、豪州
(乳製品) 豪州、ニュージーランド 日本、カナダ
(砂糖) 豪州 日本、米国
外資規制の撤廃 日本、米国 ベトナム、マレーシア
国有企業の優遇措置見直し 米国、日本 ベトナム
国家と投資家の紛争解決 米国 豪州、日本
(ISDS)条項