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実態分からぬ「影の銀行」 米の出口戦略、新興国に配慮

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

実態分からぬ「影の銀行」 米の出口戦略、新興国に配慮

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 国際金融情報センター・加藤隆俊理事長

 世界経済で今、最も関心を集めているのは、中国で何が起きているのかという点だ。中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」と呼ばれる不透明な金融取引について、実態が今ひとつ分からないことを気持ち悪がっているからだ。

 影の銀行の中身は、恐らく中国の地方政府がつくった特別会社が、地方政府の信用力を背景に無理な資金の借り入れをしているということだと思う。ただ規模も分かっておらず、G20でも、状況を把握しておきたいという気持ちがあるのだろう。

 G20では、米国が金融緩和策を平時の政策に戻す「出口戦略」も議論の中心になるだろう。米金融緩和縮小観測で新興国市場からの資金流出が起き、その結果、新興国で通貨安が進むなど、影響が出ているためだ。

 新興国としては、米国景気が回復して量的緩和を段階的に縮小することについては理解を示すが、緩和縮小の際には、世界経済への影響を考慮すべきだという言い方をするのだろう。

 ただ、リーマン・ショック以降の世界経済を牽引(けんいん)してきたのは間違いなく新興国。そこが落ち込むことは米国にもマイナスなので、そうしたことは当然、意識すると思う。(談)

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