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TPP交渉、関税協議の迅速化で合意 マレーシア会合閉幕

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TPP交渉、関税協議の迅速化で合意 マレーシア会合閉幕

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 日本が初めて参加した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のマレーシア交渉会合が25日、閉幕した。

 参加12カ国は農産品の関税撤廃・削減を扱う「市場アクセス」の協議を加速することで合意。日本は実質2日半の参加で、すでに交渉に参加している11カ国からの情報収集に全力を挙げるとともに、日本の基本的な立場を説明した。

 鶴岡公二首席交渉官は会合後の記者会見で、「重要で困難な案件については議論に開きがあり、実質的な議論に参加することはまだ可能だ」と述べ、出遅れを挽回する余地があるとの見方を示した。

 最終日である25日は、前日に続いて、先行11カ国が日本に交渉の現状を説明する対日集中協議が行われ、終了後に日本を含む12カ国の首席交渉官が共同記者会見を開いた。マレーシアのジャヤシリ首席交渉官は「日本の参加を誇りに思う」と語り、歓迎する考えを示した。

 参加国の交渉関係者によると、市場アクセスに加え、著作権や特許権の保護を話し合う「知的財産」などの分野で協議は難航している。交渉の遅れが指摘されているが、参加国は年内の妥結を目指す方針を維持した。

 次回会合は、8月22~30日にブルネイで開かれることが決まった。日本は、次回会合までに具体的な交渉戦略を策定し、コメ、麦、牛・豚肉、乳製品など農産品の重要5分野を関税撤廃の例外にすることを目指す。(コタキナバル 会田聡)

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