今回の患者さんは株式投資一家で生まれ育ち、自分の貯えができたら始めてみたいと2009年から株式投資をスタート。日本株だけでなく米国株も買ってみたものの塩漬け銘柄が発生。さっそく山田先生に診察してもらいましょう。
山田 こりらさんは米国株にも投資されているんですね。
こりら 2009年から日本株や外貨投資を始め、2011年頃、米ドルの金利が低下し、もっと効率よく外貨を運用したいと思うようになったのがきっかけです。それに、海外には魅力ある企業がたくさんありますよね。でも日本株だけだと、その企業へ間接投資しかできず、歯がゆい思いがあったからです。
山田 具体的に、どんな銘柄を買ったんですか?
こりら 日本株は「配当・優待利回り5%」を基準に選び、優待狙いに特化しているため、原則売らないことにしています。そのせいで上場廃止になった日本航空やデザインエクスチェンジ、最終分配金を待っているエフオーアイなども泣く泣く持っています(笑)。米国株は2012年2月にラディオ社(チャート参照)を買ったりしました。買値7・17ドルから2・93ドル(7月22日時点)まで下がり、4・24ドルの含み損を抱えています。
山田 ラディオ社は世界的に有名な家電量販店ですよね。
こりら そうです。ただ、その伝統と知名度が失敗の元でしたね。割安だったし、業績も悪くはなかった。しかも同一セクター(家電小売)のBest Buy より割安で、創業が1899年と1 世紀以上生き延びている実績もあり、購入したのですが……。
山田 チャートを見ると、購入後も右肩下がりですね。
こりら はい。でも、なぜこの企業が悪いのかわからず、いつか戻るだろうという根拠のない自信に陥っていました。今は株価も持ち直しつつあるので継続保有中です。
山田 他に買った銘柄は?
こりら 2011年11月に9・89ドルで買ったDoleFoodCompany Inc(DOLE)は、12・29 ドルで利益確定しました。DOLEは1851年創業の歴史ある企業。購入時点ではPBRがほぼ1倍で、上場来安値に接近しており購入を決意。ただ、いくら伝統があっても今後も生き延びるとは限らないことをラディオ社で学び、伊藤忠がDOLEのアジア事業等を買収するという材料で上昇したところで利益を確定しました。
山田 苦い経験が生かされた素晴らしい売買ですね!
今月の症状分析 伝統や知名度だけで判断しないこと
伝統があったり知名度が高くても、業績が悪いと株価は下がることも。「いつか戻る」という淡い期待を持ちすぎないように注意しましょう。
公認会計士 山田真哉 大手監査法人で上場企業監査をした後、現在は芸能文化会計財団理事長。著書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)は160万部超のヒット。株式投資では1000万円の含み損を抱える株ゾン会計士。(ネットマネー)