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首相、軽減税率に関する検討加速を指示 自公綱引きが本格化
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安倍晋三首相は19日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談した。山口氏は消費税率10%への引き上げ段階の軽減税率導入を改めて要請し、首相は「承りました」と応じた。これに先立ち首相は18日、自民党の野田毅税制調査会長に軽減税率の検討を加速させるよう指示。公明党に配慮したものだが、財務省や自民党税調は税収減などを理由に慎重な構え。年末の与党税制改正大綱とりまとめに向け、政府・与党内の綱引きが本格化している。
山口氏は会談で、軽減税率の導入を「政治決断すべきだ」とこれまで以上に強い調子で首相に迫り、与党税制改正大綱で結論を出すよう求めた。直談判は10月以降、これで3度目になるが確約は得られていない。
公明党は消費税増税の賛成に転じる際、食料品などの消費税率を低く抑える軽減税率を導入するとして、増税に反対する支持母体の創価学会を説得。今年の与党税制改正大綱に消費税率10%時での軽減税率導入を目指すと明記し、7月の参院選を戦っただけに「ゼロ回答では許されない」(幹部)という状況だ。公明党税調幹部は「最低でも税制大綱に『導入する』と書き込まなければ、10%への税率アップは認められない」と意気込んでいる。
一方、財務省や自民党税調は、軽減税率の対象品目の線引きが難しい上、税収減にもつながることから、導入に消極的だ。麻生太郎財務相は19日の記者会見で「軽減税率の対象品目の拡大に歯止めかけるのは難しい。軽減税率の導入で、社会保障の充実に回す分が減る」と難色を示した。
自民党の野田氏も先月、軽減対象品目の線引き作業などを念頭に「さまざまなハードルがある」と指摘するなど、軽減税率導入に後ろ向きだ。
軽減税率の導入の可否をめぐり激しい駆け引きを繰り広げる財務省・自民党と公明党をよそに、官邸は今のところ明確な方針を打ち出していない。
首相は消費税率の10%への引き上げ時期は経済情勢を勘案しながら判断したい意向だ。軽減税率導入で公明党に配慮を示せば、平成27年10月の税率アップが確定的になるだけに、明言を避けたいとの思惑がある。
一方で公明党とは集団的自衛権の行使容認問題などで隙間風も吹いており、これ以上関係をこじれさせるわけにいかないのも実情。当面、自公両党のにらみあいは続きそうだ。