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アベノミクス息切れ? 世界株安 新興国の経済不安強まり、頼みの米国も大幅悪化

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アベノミクス息切れ? 世界株安 新興国の経済不安強まり、頼みの米国も大幅悪化

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 世界の株安に歯止めがかからないのは、米国などの先進国が世界の景気回復を主導するという市場の“メーンシナリオ”が揺らいできたからだ。新興国の経済不安が強まったところに、頼みの米国で景気指標が大幅に悪化し、投資家心理が急激に冷え込んだ。昨年大幅上昇した日本株の変調が鮮明になっており、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」は正念場を迎えている。

 発端は、米国の製造業の景況感を示す指数や新車販売台数が3日、市場予想を下回ったことだ。これを受けて欧米の主要株価指数が軒並み下落し、4日も休場明けの香港株式市場が3%近く下げるなど、世界同時株安の様相となった。

 リスク回避を目的としたマネーの流れが顕著になっている。米量的金融緩和の縮小を背景に、1月下旬から強まった新興国からの資金流出について、BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「先進国から新興国へのマネーの流れは過去、十数年にわたった経緯があり、その巻き戻しも長引く」と指摘する。

 株式を売り、安全資産である日米の国債を買う動きも強まった。4日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが前日より0・015%低い0・600%と、約2カ月ぶりの低水準となった。

 東京株式市場では今年に入り、海外の機関投資家が売って個人投資家が買う構図だったが、その動きにも変化が見られ始めた。

 個人が主に取引する新興市場の東証マザーズは4日、株価指数が10%も下落。資金や株を証券会社に借りて行う信用取引で、株価下落により追加担保の差し入れ義務が発生しており、資金調達のための株売りが加速したようだ。「個人も機関投資家も売りで、買い手がいなくなった」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は話す。

 海外要因が大きいが、アベノミクスの陰りを指摘する声も出ている。甘利明経済再生相は4日の閣議後会見で、「足元の日本の景況は好調で、過剰反応だ」と株安を牽制(けんせい)した。しかし、市場では「海外投資家の疑念を払拭するような、成長戦略の具現化が必要だ」(藤戸氏)との指摘もある。株安が長引けば、平成27年10月に予定する消費税率の10%への引き上げ判断にも影響が出かねず、政府には「息切れしないアベノミクス」が求められそうだ。(高橋寛次)

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