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集団的自衛権の行使容認へ環境整備本格化 予算成立後の議論本格化に布石
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政府・自民党は、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈見直しに向けた環境整備を本格化させた。平成26年度予算案の3月成立にメドが立ち、解釈見直し議論に今から布石を打つためだ。だが、公明党は相変わらず慎重で、野党は批判を強めている。安倍晋三首相は安全保障の抑止力を高める集団的自衛権行使容認の意義を訴え、理解を得ようと必死だ。
先月23日から検査入院していた小松一郎内閣法制局長官が21日に退院し、24日の職務復帰が決まった。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は記者会見で、小松氏は腹腔(ふくくう)部に腫瘍があり、今後も週に1回の通院治療が必要なことを明かしたものの、「通常の勤務は差し支えない」と述べ、今後の業務に支障はないと強調した。
政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の北岡伸一座長代理は21日、日本記者クラブで、解釈変更の妥当性を改めて強調するとともに、解釈変更に反対を表明する阪田雅裕元内閣法制局長官に対し「安全保障の勉強をしてください」と批判、小松氏を後押しした。
首相は、国会論戦を通じて集団的自衛権行使の意義と憲法解釈見直しの正当性を訴え、野党の批判には積極的に反論している。一般への理解が浸透しにくいテーマとあってか「具体的事例をもって分かりやすく説明する」との考えがある。
それでも、首相が12日の衆院予算委員会で憲法の解釈権をめぐり「政府の答弁に私が責任を持ち、選挙で国民から審判を受ける」と答弁すると、集団的自衛権行使に反対する一部メディアは「首相、立憲主義を否定」と報道した。
公明党の井上義久幹事長は21日の記者会見で、首相が20日の衆院予算委で解釈変更を閣議決定すると明言したにもかかわらず「首相は何を想定して閣議決定と言うのか分からない」と、とぼけてみせた。同じ時間帯に記者会見した自民党の石破茂幹事長が「閣議決定は最低限必要だ」と述べたのとは対照的だ。
自民党内にも解釈変更に批判的な声がある。
政府側は、質疑の流れに基づく首相の答弁を紹介し、一昨年の衆院選などの党公約集に行使容認が明記されていることを指摘した資料を配布した。野田聖子総務会長は21日、集団的自衛権を議論するため総務懇談会を近く開催する意向を表明した。(峯匡孝)